家に放置してしまっている仏壇の対処方法について
ご両親が亡くなってしまい実家が空き家になった、このような状況に置かれている方は少なくありません。ここで様々な問題が起こりますが、特に仏壇が残ってしまい、家に放置してしまっている状態になっている方も多いのではないでしょうか。
仏壇を引き継いで自宅に持っていけばよいのかもしれませんが、困難なケースも少なくありません。そこで今回は、家に放置してしまっている仏壇の対処方法について、小さな仏壇を用意することや魂抜きなどの供養を中心に解説します。
この記事を読めばきっと、家に放置された仏壇の対処法が分かるのではないでしょうか。
サイズを小さくして自宅に持っていく
実家にある仏壇は、非常にサイズが大きく移動すら困難なケースが少なくありません。それでも自宅に持っていきたいという場合は、サイズを小さくし、位牌などを移すのがおすすめです。
これは、現代の仏壇問題を解決する有効な対処方法です。現代の住宅は、仏間を作って仏壇を置くという設計には、なっていません。そのため、実家の仏壇を持っていきたいけど、持っていくことができないという方も多くいらっしゃいます。
このような背景から苦肉の策として机やタンスの上に位牌だけを持っていって、それを置いているケースも少なくないのです。もともと仏壇には、家族の絆を深める役割を持っているとされています。
現代のように何事もあわただしく過ぎていく世の中にあって、家族の絆を深めてくれる仏壇は、重要な存在といえるでしょう。それを位牌だけにしてしまうのは、心苦しい面もあります。そこで、おすすめなのがコンパクトな上置型仏壇です。
これは、現代の住宅事情に合わせて作った仏壇として、家具の上にも置けるのがメリットです。従来型の仏壇のように種類も多く、価格も数万円からとお手頃な設定のものから本格的な仏壇にも引けを取らない100万円を超えるものまで存在します。また、現代的な欧米風の室内に置いても違和感のないデザインのものも用意されていますので、和室がない住宅の設置も容易です。
仏壇を置く場所が気になる方もいますが、気分よくお参りできる場所であれば問題ありません。そのため、自分たちの気に入った場所に置くというように、気軽な気持ちで仏壇を用意し、設置しましょう。
お仏壇をミニサイズに変更する方法(浄土真宗) ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/28/587/
魂抜きの供養をして処分
空き家で放置してしまっている仏壇をそのままにしてしまうのは忍びないものです。しかし、自宅にも様々な事情で持っていけない、小さな仏壇を購入することもできない、兄弟は仏壇の引き取りを拒否している、このような事情がある方も多いでしょう。このように仏壇の対処法がない場合は、最終手段として魂抜きの供養を行って、仏壇を処分します。あまり良い気持ちがしないかもしれませんがしっかりと手順をふめば問題はありません。
この場合は、仏壇から魂抜き、あるいは御霊抜きの閉眼供養を行います。菩提寺や近くのお寺のお坊さんに依頼して供養してもらい、そのうえで仏壇を処分する内容です。先祖代々から伝わる仏壇を自分の代で処分するのは気が引けるかもしれません。しかし、そのまま放置して仏壇が壊れていくよりは、ご先祖様のためになるでしょう。
ちなみに費用としては、数万円程度から仏壇のサイズによっては10万円を超える位が目安です。なお、山間部など処理する業者やお坊さんが遠方からくる場合は、それ以上の金額になってしまうこともあります。
放置してしまっている仏壇の対処の流れを紹介
次に放置してしまっている仏壇の対処方法の流れを紹介します。
ここでは、小さな仏壇にする場合と仏壇を片付ける場合の順番で説明をしていきましょう。
小さな仏壇にする場合の流れ
小さな仏壇にする場合の流れは
- 新しい仏壇を購入
- 古い仏壇の閉眼供養
- 新しい仏壇の開眼供養
- 古い仏壇の処分
という4ステップです。
最初に新しい仏壇を購入します。仏壇は、ネットでも購入できますが、開眼供養などの手配などを考えると仏壇店に相談するのがおすすめです。
次に古い仏壇の閉眼供養を行います。ここでは、先ほど触れたように菩提寺や近くのお坊さんに依頼して供養を行ってもらいましょう。
呼べるお坊さんがいない場合は、ネットなどでも手配できます。この際、古い仏壇を掃除し、きれいな仏壇にしておくのが重要です。
3ステップ目は、開眼供養です。仏壇は、買ってきただけでは意味がありません。開眼供養を行って、初めて古い仏壇の魂が移動できるのです。
この供養も先ほどのお坊さんに依頼するようにしましょう。最後に古い仏壇を処分します。閉眼供養が終わった仏壇は、すでに古い家具と同じように扱っても構いませんから、廃棄処分できます。
新しい仏壇を買った仏壇店や廃棄物処理業者に依頼して、仏壇を処分してもらいましょう。また、自分で行うこともでき粗大ごみとして出すことも可能です。費用としては、新しい仏壇代金に加えて供養や処理で十数万円程度かかります。もちろん、お坊さんの宗派や処理する業者、古い仏壇のサイズによって費用は変動するので、参考程度に知っておいてください。ちなみに粗大ごみで処分する場合は、処分料金が500~2,000円ほどです。
仏壇を片付ける場合の流れ
仏壇を片付ける場合の流れは、シンプルです。閉眼供養を行い、そのまま処分といった形になります。最初にお坊さんに閉眼供養を行ってもらいますが、この時もお供え物をしたリ、ろうそくを立てたりして最後にしっかり用意をしましょう。供養が終わったら、そのまま仏壇店や廃棄物処理業者に依頼して処分してもらって完了します。
注意しておきたい仏壇の対処方法
仏壇は、家具などのように気軽に対処できません。そのため、新しい仏壇を日当たりの良い場所に置かない、魂抜きしないで捨てない、処理業者をあらかじめ探すといった3つの注意点があります。まず、新しい仏壇を日当たりのいい場所に置かないということです。場所の指定はありませんが、長年供養したい場合、日当たりのいい場所に置いて劣化するよりは、少し日の当たらない場所に置くのがおすすめです。
魂抜きをしないで処分するのもやめましょう。あくまで魂の入った入れ物が仏壇ですから、安易に粗大ごみのように捨ててはいけません。例え、出費になっても魂抜きなどの閉眼供養を行うことを強くおすすめします。最後が処分業者をあらかじめ決めておくことです。仏壇という特殊なものは、業者も処分を断るケースが少なくありません。あらかじめ、対応可能か確認して依頼することをおすすめします。これら以外にも、仏壇の中身をチェックして貴重品がないか調べたり、放置しないことです。貴重品が失われるリスクや放置されたままでは、ご先祖様も安らかに過ごせませんから、早めに行動しましょう。
どうしてもわからない場合は仏壇店へ相談
どうしても家に放置してしまっている仏壇が対処できずに困っている、この記事を読んだものの踏ん切りがつかない、そんな場合におすすめなのが、まず近所の仏壇店に行くことです。ここで相談をすれば、様々な提案やアドバイス、そしてそれらの手配を行ってくれます。どう動いて良いか分からない場合は、まず仏壇店へ行きましょう。
まとめ
実家の仏壇の対処に悩んでいる方は多くいます。そんな方におすすめな方法を2つ紹介し、注意点も解説してみました。しかし、家族の意向も加味し、最適な処分方法をみつけることも重要です。そのうえで対処方法を早めに選択し、行動してみましょう。
関連リンク
仏壇を処分したいとお考えの方へ ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/08/14/1408/
お仏壇をミニサイズに変更する方法(浄土真宗) ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/28/587/
浄土真宗の仏壇の処分方法について ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/12/23/1917/
宗派が分からない場合の仏壇の片付けについて ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/03/23/1982/
位牌・遺影・仏壇などの魂・お性根抜き供養~整理処分をするなら → https://gokuyo.com/