葬儀の時にお寺へお渡しするお布施金額の決め方

葬儀を執り行う事になった際、決めなければならない事は色々ありますよね。

その中でも多くの人が頭を悩ませる事の1つがお布施です。仏教で葬儀やその後、法要を行う際には、お寺に対してお布施をお渡ししなければなりません。この記事ではお布施を渡す際、どの様に金額を決めればよいか説明させて頂きます。
お布施の金額を決める際の参考になれば幸いです。

お布施とは?

そもそもお布施とはいったいどのような意味を持ち、どうして支払わなければならないのか疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。お布施(布施)とは、葬儀などで読経や戒名をしてもらった御礼として、僧侶の方に金品を渡す事をいいます。現在では謝礼金という意味で一般的には広まっていますが、もともとは仏教の修行方法の一つを指す言葉でした。葬儀の際にお布施と言われたら謝礼金ととらえて問題ありませんが、本来の意味も理解する事が大切です。

実際にお布施として支払う金額の平均として日本ではいくら支払うべきなのでしょうか。お寺にお布施の金額について相談することも手段の1つですが、

お寺の僧侶
お気持ち程度で結構です。

と答えられることも少なくありません。

先ほど説明したお布施の本来の意味を考えれば、そう答えられる事が自然なのかもしれません。ですがそうは言っても、お寺によって明言されないこのお布施には、ある程度の平均価格が存在しています。そこで葬儀にまつわるそれぞれの場面での相場価格について紹介していこうと思います。

お布施の金額相場

①葬儀(葬式・通夜・告別式・火葬)

これらの場面でお渡しするお布施の平均額は約47万円です。これは戒名授与、通夜、葬式、告別式、火葬場での読経等をお寺にすべてお願いする場合の平均金額とのこと。

独自で調べてみたところでは最近での平均額はもっと下がっていると思われます。30万円前後が多かった結果でした。

喪主の経験のある方に葬儀の時に渡したお布施の金額を聞いてみた ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/10/13/1719/

葬儀で支払うお布施の金額は、お寺から頂く戒名のランクによって変動します。宗派や地域によっても価格は変動するので参考としてお考え下さい。例えば浄土宗の場合は⑴信士しんじ信女しんにょ:30~50万⑵居士こじ大姉だいし:50~60万⑶院信士・院信女:70万~などの様に変動します。一度ご自身の宗派の相場を確認しておくと安心です。また戒名料について気になる方は菩提寺に尋ねれば確実な金額がわかります。

 

居士・大姉

禅定門・禅定尼

清信士・清信女

信士・信女

 

とランクが上がっていきます。

 

②四十九日法要

こちらでのお布施の平均金額は約3~5万円です。

③一周忌法要

こちらでのお布施の平均金額も約3~5万円です。

④三回忌以降

三回忌以降になると約1~5万円が平均金額になります。

このように法事、法要のお布施は基本的に3~5万円が目安の価格になっています。三回忌以降は相場が低くなることからも、時間経過に伴ってお布施の金額も少なくなることがわかります。

しかしこれはあくまでも全国平均の金額なので、必ずお布施の金額を決める前に、ご自身の宗派、地域、お願いするお寺に確認しておくことが重要です。焦らず慎重に決めましょう。

⑤納骨法要・納骨式

こちらでのお布施の平均金額は約1~5万円です。一点注意事項があり、四十九日や一周忌法要のにに同時に納骨を行われる場合には、別途お布施を包むことはしません。納骨と法要を併せた金額をお布施としてお渡しすれば問題ありません。

⑥お盆

こちらでのお布施の平均金額は約3~5万円です。初盆では多くの故人にゆかりのある人を招きます。法要の内容も必要とされることが多いため、初盆のみ金額が高くなります。初盆以降は約5千円~1万円が平均金額になります。他の法要に比べて金額が少ない傾向にあります。お盆に関しても法要と同様に、時間経過に従ってお布施の金額も少なくなる傾向にあります。

⑦仏壇、お墓の開眼供養・閉眼供養

こちらでのお布施の平均金額は約1~3万円になっています。本項目では開眼供養、閉眼供養と表記させて頂きましたが、宗派によって異なる名称がある場合もあります。(魂入れ、お精入れ、入魂式など)また開眼供養、閉眼供養に関しては聞きなれていない方もいらっしゃると思います。

開眼供養とは、仏像、仏画、仏壇、墓などの完成の際行われる法要の事を指します。また閉眼供養とは、お墓の改葬、墓じまいに伴ってお墓から遺骨を取り出す際、そのお墓に宿っている個人の魂を抜き取る為行われる儀式を指します。

このように、シーンごとにお布施の金額は変わりますが、全体の傾向として、葬儀から年月が経つほど少なくなると考えて頂ければ問題ありません。

節目とされる法要の際や、それに伴って家族以外の親族なども招く必要のある法要ではやや多い金額がふさわしいともされています。

主に7つの行事の際の平均金額について紹介しましたが、この中でも戒名の際の金額についてはある程度ご自身で決めることも可能です。先ほど説明させて頂いた通り戒名のランクが高く成程お布施の金額も高くなります。

では戒名のランクはどの様にして決まるのでしょうか。一般的には次に示す基準でランクが決まります。

  1. 新しくお墓を建立して入る場合は自由にランクを決めて良い
  2. ご先祖様と同じお墓に入る場合は、ご先祖様より高いランクの戒名はつけない
  3. 夫婦で同じお墓に入る場合、二人の戒名のランクは揃える

というような基準になっています。

戒名の意味について解説(居士とは?信士とは?) ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/89/

戒名料の金額でのトラブル

戒名料に全国統一の定価は存在しませんが、ある程度の平均金額は決まっています。この様な相場を知らないと最悪の場合、低い位の戒名にも関わらず高額を要求されるという事態になりかねません。最近では戒名料について金額を公表しているお寺も増えてきています。お寺の金額を参考にあらかじめの値段を把握しておきましょう。

戒名料についてトラブルを避ける手段として生前戒名という方法もあります。自分自身で亡くなる前に戒名を決めてしまえば、先述の様なトラブル防止にも役立ちます。

一部の宗派、地域では生前戒名の方がお布施が安く済む場合もあります。1点注意事項としては、納骨を予定している菩提寺でつけなければならないという点があります。納骨予定の菩提寺以外で戒名付けを行ってしまうと、後から納骨を拒否されてしまう場合があるからです。そして生前戒名を選択された場合は必ず二重に戒名をつけられてしまわないためにも、ご家族に説明しておきましょう。

まとめ

この記事ではお布施の金額の決め方についてご紹介させて頂きました。それぞれの法要ごとに平均金額については、ある程度決まっています。そして葬儀から年月が経つほど金額も少なくなっていきます。また後半部分で説明させて頂いた通り、戒名に関してはトラブルであったり、費用を安く済ませる方法も存在しておりますので参考にしてみて下さいね。

そしてこの記事で紹介させて頂いた金額はあくまでも全国平均の金額です。繰り返しにはなりますが、お布施の金額はお寺、宗派、また地域の慣習によっても変動します。この記事で平均金額を参考にしながら、トラブル回避の為にも必ずご自身の宗派などをご確認下さい。心配な方は菩提寺に問い合わせることもできますので、念には念を入れて確認されることをお勧めします。
いかがでしたでしょうか。皆様がお布施の金額を決める際の参考になれば幸いです。

 

関連リンク

喪主の経験のある方に葬儀の時に渡したお布施の金額を聞いてみた ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/10/13/1719/

仏壇の魂抜きをお願いするとしたらお布施はいくら用意しますか?アンケート結果 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/01/17/1942/

葬儀の時にお寺へお渡しするお布施金額の決め方 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/10/15/2108/

 

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