老人ホームなどの介護施設に入ることになった場合の仏壇や位牌の対処方法
昔は生涯を自宅で終えるという人が多かったのですが、少子高齢化が進み介護施設が増えた現代では、老後は施設に入って暮らすという人も珍しくはありません。
老人ホームなどの介護施設に移り住むとなると、生活に必要なものを持っていくことにはなりますが、当然自宅にある全てのものを持って引っ越しをするわけにはいきません。
介護施設によって、【持っていけるもの】と【持っていけないもの】があります。
そんな時、気がかりになるもののひとつに「仏壇」や「位牌」があります。
仏壇を大切にしているお年寄りは多いのですが、介護施設に入る場合に仏壇はどうすればいいのかと心配する人もいるでしょう。
対処法としては、
- 「介護施設に持っていく」
- 「処分する」
という方法になるかと思います。
状況によってどちらかを選択しなければならない場合があるので、それぞれの対処法について詳しく説明したいと思います。いつかは直面する可能性にある問題なので、前もって確認しておきましょう。
介護施設には仏壇や位牌を持っていける?
老人ホームなどの介護施設に一緒に仏壇を持っていけたら、今まで通り毎日拝むこともできて、1番いいと思いますよね。
これに関しては、残念ながら施設によって可否が異なるというのが実情です。
介護施設には家具や必需品が揃っていて、大型のものを持ち込むことは一切禁止しているところもあります。
ただし、個室であれば仏壇を設置してもいいという施設もあるでしょう。
まずは、介護施設に仏壇を持って行っても良いのかということを事前に問い合わせて確認することが必要です。
位牌に関しても念の為確認はした方がよいですが、大きさも小さいことからも、位牌の所持に関しては問題なく持って行ける場合が多いです。
介護施設で仏壇をおく場合に注意したいこと
仮に、介護施設に仏壇を持って行くことがOKだったとします。
しかし、自分が生活するのが他の人もいる相部屋だった場合、自宅にいた時のように仏壇を扱うことは避けた方が良いでしょう。仏壇が同じ部屋にあるというだけで、正直なところ気味が悪いと不快に感じてしまう人もいます。
仏壇は決して悪いものではなく、有難いものなのですが、死者を連想させますし、毎日部屋に置かれているのを見ながら暮らすのはいい気分がしない、と思われてしまうのも仕方がありません。
たとえば、仏壇に向かってお経を唱えるようなことも、相部屋で他に人がいる場合はやめた方がよいです。
他の人にとっては耳障りで、クレームやトラブルに発展する可能性があります。
どうしてもお経を唱えたい場合は他の人が部屋にいないタイミングを選びましょう。
たとえ介護施設に仏壇を持って行ける場合でも、相部屋の場合はなるべく他の人の目に入りにくい場所にひっそりと置いておくのがマナーです。
ただし、個室に入れる場合は、よほどうるさい音を立てなければ迷惑をかけることはありません。
入所する介護施設の決まりや、個室が相部屋によって事情は異なるので、まずは施設のルールを確認し、仏壇をどうしても置きたいのなら、可能であれば個室を選ぶことをおすすめします。
介護施設に持って行けない場合は処分する
悲しいことではありますが、どうしても介護施設に仏壇を持っていけないのであれば、仏壇を処分することも考えなければなりません。
仏壇を処分するいうと大変なことのように聞こえますが、手順を踏めば、思いの外簡単にできるでしょう。
仏壇は大きなくくりでいうと家具のひとつではありますが、ご先祖様がいる場所と考えると、粗大ゴミのようにあっさり捨てられないという気持ちを持つ人がほとんどです。
しかし、購入時に開眼供養をした仏壇は、閉眼供養をすることによりご先祖様の魂が抜けた状態になります。
閉眼供養、いわゆる魂抜きが済んだ仏壇にはもうご先祖様の魂はないと考えられるので、仏壇を処分することへの罪悪感もだいぶ軽減されるでしょう。
介護施設に入る場合仏壇はどうやって処分する?
介護施設に仏壇を持って行けないということがわかり、あきらめて処分をすることを考えた時に問題となるのが、どのようにして仏壇を処分するのかという方法です。
手順としては
- 菩提寺に相談して魂抜きを行う
- 仏壇の引き取りをお願いする
順番にみていきましょう。
菩提寺に相談して魂抜きを行う
まず、菩提寺であるお寺に仏壇の引取ができないのかと問い合わせをしてみましょう。
注意しなければならないのが、お布施を払わなければならないことです。
金額はお寺によっても相場が異なるので、周りの人に聞いてみたり、お寺に相談して決めると良いでしょう。
閉眼供養は菩提寺に依頼することが一般的で、菩提寺によっては、そのまま引き取りに応じてもらえる場合もありますが、実際は断られてしまうことのが多いです。
【僧侶による魂抜きの様子】
仏壇の引き取りをお願いする
魂抜きが終わったら、お炊き上げによって処分してもらうことになります。
菩提寺に処分を断られた場合には、仏壇・仏具の専門店にお金を払って引き取り・供養をしてもらう方法や、仏壇処分を行っている専門業者もあり、依頼をすれば手間をかけずに持っていってもらうことができます。
仏壇処分の専門業者の場合は、魂抜きも一緒に対応してくれる業者もありますので一度相談してみるのもよいでしょう。
【専門業者による仏壇の回収の様子】
厨子を利用するという方法も
浄土真宗のお話にはなってしまいますが、お仏壇の代わりに厨子というミニサイズの仏壇をお迎えするという方法もあります。 厨子ずしとは、本尊や位牌を安置する仏具です。
良かったら詳しくは下記よりご覧ください。
仏壇処分の後に供養を続ける方法:(厨子というミニ仏壇の用い方) ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/03/02/673/
まとめ
介護施設に入る時に仏壇を持っていければいいのですが、実際には不可とされるケースが多いと考えておいた方がいいでしょう。
仏壇を処分することに抵抗があるからと、身内などに手入れをお願いすると負担をかけてしまうことにもなります。介護施設に入ることになったら、ご先祖様を大切に思う気持ちを忘れずに、しっかり供養をして仏壇を処分することもひとつの方法です。
仏壇と一緒に位牌を祀らないといけないという事は考える必要は無いと思います。仏壇と一緒に位牌も魂抜きをして処分するという方法もありますが、位牌だけを手元に残すという選択も決して間違った考えではないと思います。
関連リンク
老人ホームなどの介護施設に入ることになった場合の仏壇の対処方法 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/10/04/2081/
引っ越しの為に浄土真宗の仏壇を買い替える方法 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/37/
施設に引越しをする際に仏壇はどうすればよいか? ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/33/
実家の仏壇を片付けたいと思ったら ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/09/13/2068/
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