仏壇はいつから家に置くようになったの?

仏壇というのは、日本の家庭では見かけることが珍しくはありません。

昔からある大きな家には必ずといっていいほど仏間があり、仏壇が置かれているのが日常的な光景といえるでしょう。

仏壇には随分昔から先祖代々使われてきたというものも多いです。

見た目や古さはそれぞれに異なりますが、仏壇はどこの家庭でもとても大切に扱われているものです。

「仏壇というのはいつの時代から家に置かれるようになったんだろう?」

と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

だいぶ昔からありそうなイメージはありますが、具体的にいつから、というのは日頃知る機会がなかなかありません。

結論から言うと、仏壇が今のように一般的な家庭に置かれるようになったのは江戸時代からと言われています。

今のように家庭に仏壇が置かれるようになったのは江戸時代からではありますが、仏教が伝わり仏壇が置かれ始めたのはさらにもっと古い時代になります。

そして、一般庶民の家に仏壇が置かれるようになったことには、意外と知られていない当時の時代の事情があったのでした。

今回は、仏壇が家庭に普及した時代や、仏壇にかかわる時代背景について詳しく解説します。

 

仏壇の始まりは奈良時代

仏教が日本に伝わったのは飛鳥時代です。

当時は仏教は政治にも使われていたくらい影響のあるものでしたが、庶民には縁のないもので貴族など地位や権力のある人たちにしか関わりのないものでした。

そして、最初に日本で仏壇が置かれたのは奈良時代と言われています。

世界最古の現存する木造建築物として有名な法隆寺に、玉虫厨子というものがあります。

それが日本で最初の仏壇とも言われています。

玉虫厨子はとても綺麗な装飾がされていて、大切なものを入れることができ、しっかりとした扉がついています。

そう、今家庭に置かれている仏壇のかなり豪華なバージョンとも考えられるでしょう。

ただ、やはり当時はまだ一般家庭に祀られるようなものではなく、貴族など裕福で地位のある人々にしか縁のないものでした。

 

室町時代に急速に仏壇が広まる

室町時代になると浄土真宗が広まるとともに、信者たちの間でも仏壇が身近な存在となり始めました。

室町時代に仏壇が広まった理由としては、当時普及した建築様式にもあります

室町時代の代表的な建築様式に、書院造りというものがあります。

書院造りの特徴には、「床の間」があります。

この床の間には仏具が置かれるようになり、仏壇が広まるきっかけともなりました。

元々仏壇を奨励して広めたのは浄土真宗でしたが、他の宗派もそれにならって仏壇を置くようになりました。

とはいえ、この時代ではまだ庶民の家庭に仏壇が置かれることは一般的なことではありませんでした。

 

江戸時代になると仏壇は庶民の間にも広まった

江戸時代に入ってからは、庶民の家庭にも仏壇が置かれるようになりました。

江戸時代にとられた寺請制度という政策により、庶民は菩提寺となる寺院を決め檀家になることが義務として定められたのが理由です。

この政策の目的は、江戸時代に広まったキリスト教信者を取り締まるためでした。

簡単に言うと、家に仏壇が置いてあればキリスト教を信仰していないことの証明となったというわけです。

仏壇はただ家に置くというだけではなく、毎日朝と夜に拝むこと、ご先祖様の命日には僧侶に供養してもらうことが一般的な風習となりました。

つまりこの頃から、仏壇が今のように家庭に置かれることが常識のように広まったということが考えられます。

自分たちが好きで家に仏壇を置いた、ということではなく、元々は政策により義務付けられたことがきっかけということになります。

昔から日本人はご先祖様を大切にしているイメージがあり、仏壇も自ら望んで自宅に設置し大切に管理してきたと思われていますが、元々のきっかけはキリスト教信者排除のための政策だった、ということは意外と知らなかった人も多いのではないでしょうか。

 

仏壇画像8

 

まとめ

このように、日本の仏壇には長い歴史があるということがお分かりいただけたかと思います。

仏教が日本に伝わったのは飛鳥時代、浄土真宗の宗派で仏壇が広まったのは奈良時代、寺請制度により仏壇が一般家庭に置かれるようになったのは江戸時代ということになります。

なんとなく、だいぶ古い時代から仏壇というものが存在するということはイメージしていても、どのような流れで今のように一般化したのかということは知る機会が少ないものです。

この記事を読んだことをきっかけに、仏壇の歴史に興味を持つことができれば、これまでとはまた違った気持ちで仏壇に関わる楽しみができるのではないでしょうか。

元々は江戸時代の政策により義務付けられたことがきっかけではありますが、仏壇を置くことによりご先祖さまを身近に感じることができ、大切に思い、時には心の拠り所とすることができるのは日本人にとって尊いことだといえるでしょう。

 

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