宗派が分からない場合の仏壇の片付けについて

他界した親戚の家の遺品整理をしていたら仏壇があり、その処分方法に悩んでいるという相談をうけることがあります。亡くなった人がどの宗派だったのかわからない、わかったけれど自分とは宗派が違う場合などは、一般的には菩提寺に依頼することをおすすめしています。

菩提寺とは代々その家が葬儀など行う際に依頼しているお寺を指します。たとえ宗派が違っても菩提寺にお願いすれば一緒に供養してもらえます。菩提寺がわからないという場合は近所にある他のお寺に相談したり、仏具店に相談すれば宗派のわからない仏壇の供養を引き受けてくれたり、紹介してもらえたりするでしょう。

それでは、亡くなった人がどの宗派だったのかわからない場合の処分方法について詳しくみていきましょう。

ヒントを探してみる

仏壇にまだ附属品が残っている場合は、宗派がわからない仏壇も調べてみれば宗派がわかるヒントがあります。一番分かりやすいのがお経本がしまってある場合などです。

まずは仏壇回りを調べてみて、宗派が書かれているものがないかを探してみましょう。はっきりと「○○宗」と書かれているものがなかった場合は他の手がかりを探します。

本尊を調べる

仏壇の中心に祀られているご本尊は宗派によって全く違いますので、大きな手がかりになります。しかし素人目には違いがわからない場合が多いので、写真を撮って近所のお寺や仏具店で訪ねてみるのがよいでしょう。

掛軸仏壇

【仏壇の中央上部の本尊から判別が可能です】

位牌を調べる

仏壇に位牌が立てられている場合は、戒名などで宗派がわかります。位牌には各宗派によって異なる印が入れられていることもあるので素人目でも判断しやすいでしょう。

戒名の意味について解説(居士とは?信士とは?) → https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/89/

親族で話し合うことも大切

最も手早く調べるには「他の親族に相談してみる」という方法が一番でしょう。できるだけ故人に近い続柄の人に相談してみましょう。

「過去にどこのお寺で葬儀をしたか」、「その人の親や祖父祖母はどのお墓に入っているか」がわかれば宗派がおのずと判明していきます。

自分たちで調べるよりも、こちらのほうがすぐにわかることもあり、手間などもかからないので、仏壇の宗派がわからない場合は親族間に相談してみるのもお勧めです。

どうしてもわからない場合は菩提寺に相談

仏壇に手がかりがなく、宗派がどうしてもわからない場合はまず菩提寺に相談してみましょう。菩提寺とは実家が代々供養などを依頼しているお寺になります。
菩提寺はその家や一族の供養に携わる役目があるので、たとえ宗派が違う場合も閉眼供養してもらうことが可能です。また、そのまま仏壇を供養して処分する手はずも整えてもらえるので手間取ることなく処分できるでしょう。

場合によっては仏壇を見てもらって宗派が何だったのか判明するというケースもあります。もし宗派が違ったらそのお寺に依頼してもいいですし、そのまま菩提寺で閉眼供養を依頼しても問題ありません。

実家が檀家として菩提寺を持っているのであれば、仏壇供養を依頼するのが早いでしょう。

他のお寺に相談

菩提寺を持っていない場合、近所にある他のお寺に依頼するという方法もあります。宗派が違う・わからないという仏壇については断られることがありますので、事前に相談することが大切です。

まずは一番近いお寺に連絡して「宗派のわからない仏壇を処分したい」という旨を伝えましょう。そのお寺で供養してもらえる場合はそのまま案内してもらえますが、そのお寺では難しいという場合は他のお寺を教えてもらいましょう。

供養してもらえるお寺の紹介を行っていない場合は、他のお寺を順番に調べていきます。

最近ではホームページを持っているお寺も多いので、別宗派の供養も行っているお寺を調べて相談すれば早く見つけることができるでしょう。

仏具店に相談

移動可能な範囲内に供養してもらえるお寺が見つからなかった場合、仏具店に相談する方法もあります。仏具店では仏壇の引取・供養のサービスがあり、仏具店が仲介して他宗派の供養を行っているお寺へ送ってもらえます。

間接的にはなりますが、きちんとした供養ができ、仏壇の引き渡し以降はおまかせになるので気軽です。仏具店での引取は基本的にどの宗派でも引き受けてもらえますし、仏壇の運び出しなども依頼できるのでどの方法よりも簡単に処分できるでしょう。

デメリットとしては処分にかかる費用が高くなるということです。仲介してもらうのでそれなりの金額になってしまいます。

宗派の違うお寺で供養してもらうことは可能なの?

そもそも宗派の違うお寺に供養してもらうことは可能なの?と思う人もいるでしょう。その答えは「可能」です。

各宗派に分かれてはいますが、故人を供養するという気持ちはどの宗派も変わりあるものではありませんので、仏壇という気持ちや魂がこもったものに敬意を持って供養することが大切です。

そのため、大抵のお寺では宗派が違っても引き受けてくれるというところが多いのです。

仏壇処分にかかる費用は?

仏壇を処分するにあたって、どの方法を選んだとしてもそれなりに費用がかかります。

お寺に依頼するなら費用としてお布施を渡します。お布施は仏壇の大きさや移動費などで変わってきます。お寺によってこの費用は変わりますので、相談する際に聞いておきましょう。

閉眼供養だけお願いする場合にもお寺によっては「お布施はお気持ちなので」と具体的な金額を言ってもらえないこともあります。その場合も大体3万円とお車代を合わせて渡すといいでしょう。

仏具店に処分を依頼する場合は更に金額が上下します。閉眼供養や引取を頼むとプラス数万円になることもありますので、しっかり見積もりを取ってもらいましょう。

閉眼供養はするべき?

仏壇を処分するときに必要なのが閉眼供養です。閉眼供養とは、仏壇に宿っている魂を抜いてもらうためのもので、魂抜きと呼ばれることもあります。

お坊さんと仏壇

【仏壇の供養の様子】

閉眼供養は必ず行わなければいけないというものではなく、どちらかといえば気持ちの問題ではありますが、仏壇という故人をまつっているものを処分するときの気持ちの整理として行います。

そのため、閉眼供養を行わずに仏壇を処分しても特に問題は無いのです。

閉眼供養を行ってから処分したほうが、処分した人の心の負担が減ります。あとになって「やっぱり閉眼供養したほうが良かった」と思わないようにやっておくべきでしょう。

供養する気持ちが大切

仏壇はその家の人の先祖が祀られているものですので、粗末な処分をしてしまってはいけないと重く考えてしまう人もいるでしょう。しかし、処分するために大々的な供養を行って費用をかさ増しさせるのはあまり良いことではありません。

大切なのはその仏壇にまつられている先祖に敬意を表して供養するという気持ちです。宗派が違うお寺に供養を頼むこと、業者に依頼して供養してもらうことも、供養の気持ちがあれば問題ないのです。

また、仏壇の処分は一人で気負わず、他の親戚などにも相談して協力してもらって後腐れのない方法を選びましょう。

まとめ

宗派が違う・わからない仏壇も供養して処分することは可能です。最近ではそういった仏壇を積極的に受け入れているお寺も増えてきています。
せっかく先祖代々を祀ってきた仏壇ですので敬意を持って処分しましょう。

 

関連リンク

仏壇を処分したいとお考えの方へ ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/08/14/1408/

お仏壇をミニサイズに変更する方法(浄土真宗) ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/28/587/

浄土真宗の仏壇の処分方法について ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/12/23/1917/

宗派が分からない場合の仏壇の片付けについて ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/03/23/1982/

 

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