仏壇処分の為にお坊さんを紹介した時の話

先日、刈谷市のお宅に浄土真宗本願寺派のお坊さん紹介の希望があり、仏壇の供養じまいに行ってきました。仏壇を大事にされていたお父様が施設に入ることが決まり実家を解体することになり、はじめに仏壇をしっかりとした手順で片付けたかったそうです。

お父様はお仏壇を大切にされていたそうで熱心な門徒さんでいらっしゃいました。しかし本願寺派のお寺が近くになかったそうで、法事の際には、同じ浄土真宗である真宗大谷派のお坊さんにおつとめをお願いしていたそうです。

この日は、お父様が熱心な門徒さんだったとのことで、正信偈しょうしんげ念仏和讃ねんぶつわさんを、私も一緒に読経しながらおつとめしていただきました。これがなんとも心地の良いお経で、仏教徒でない私も、日本全国で広まっているこのお経に出合えることができて幸せな気持ちになれました。

心地の良いお経とは言いましたが、正信偈しょうしんげ念仏和讃ねんぶつわさんはお経ではないそうです。

お経はお釈迦しゃか様の大切な教えがまとめられている文書を指しており、名前には仏説ぶっせつと付きます。例えば仏説阿弥陀経ぶっせつあみだきょう仏説観無量寿経ぶっせつかんむりょうじゅきょう説無量寿経ぶっせつむりょうじゅきょうなどです。

正信偈しょうしんげ念仏和讃ねんぶつわさんは、お釈迦しゃかさまではなく親鸞聖人しんらんしょうにんが残されたものだからお経ではありません。

今回は浄土真宗の正信偈と念仏和讃について調べてみましたので紹介させていただきます。

正信偈しょうしんげ

鎌倉時代の親鸞聖人しんらんしょうにんが書き残された物で、正信偈しょうしんげとは(うた)という意味があり、正しい信心のうたという意味です。お釈迦さまのご説法が載っているお経とは異なり、正信偈しょうしんげはお経ではありません。

正信偈のはじまり

室町時代には本願寺第8世蓮如上人れんにょしょうにんが日常のお勤めに、朝夕にお参りしたのが始まりです。1行7文字、120行、漢字840字の漢文で書かれており、親鸞聖人の九十年の教えのすべてが書き残されています。

正信偈の内容

人間は色々なことを信じて生活しています。たとえば自分は健康だと信じているから先々のスケジュールを計画できるわけですし、お金や財産があるから安心という方もいるかもしれません。このように人間は何かを信じているから安心して暮らしています。

そして、このような事に裏切られた時、悲しみ、苦しんだり怒ったりします。病気になったり、お金が無くなったりしたときですね。

このようなやがて必ず裏切るものを信じていては心からの安心も満足もない訳です。阿弥陀仏による、「あなたを救ってあげたい」「必ずあなたを救ってみせる!」という思いがまとめられており、絶対に裏切ることのない阿弥陀仏を信じて幸せになりましょう。ということが書かれています。

しょうしんげ

【正信偈の最初のページ】

帰命無量寿如来南無不可思議光きみょうむりょうじゅにょらいなもふかしぎこうから始まります。南無阿弥陀仏なむあみだぶつと同じ意味で→いつでもどこでもはたらいていらっしゃいますから始まります。

内容の順番は阿弥陀仏をたたえるお話→お釈迦さまをたたえる話→七高僧しちこうそう(インドや中国、日本の僧侶)をたたえる話と続いていきます。

七高僧とは

  • 龍樹菩薩りゅうじゅぼさつ
  • 天親菩薩てんじんぼさつ
  • 曇鸞大師どんらんたいし
  • 道綽禅師どうしゃくぜんじ
  • 善導大師ぜんどうだいし
  • 源信和尚げんしんかしょう
  • 源空上人げんくうしょうにん法然ほうねん

のことです。

修行をしていない一般の人々でも阿弥陀仏は決して裏切らず助けてくださいます。阿弥陀仏の絶対に裏切る事のない幸せを正しい信心とし幸せになりましょう。ということが正信偈にはまとめられています。

親鸞聖人
正しい信心をもって幸せになりましょう。

念仏和讃ねんぶつわさん

先に述べたように正信偈は漢字840字で書かれており、鎌倉時代に流行していた当時の庶民に解りやすいメロディーに乗せて、正信偈の意味を分かりやすく解説したものが念仏和讃です。私にも大変親しみやすいメロディーでした。

弥陀成仏みだじょうぶつのこのかたは
今に十劫じっこうをへたまえり
法身ほっしん光輪こうりんきわもなく
盲冥もうみょうを照らすなり
・・・・・・・・・・

という形で、念仏和讃は七五調でできています。

 

ねんぶつわさん

【な~むあ~みだぁ~んぶ~♪とはじまります】

昔はレコードやカセットテープ、もちろんCDやDVDなども無かった訳で、語り継がれていく形で現代まで継承されるというのはとても素晴らしいですよね。

仏壇が目の前から無くなったとしても、仏の教えが失われるわけではありません。今回のご縁を通して、お父様がお寺と関わり続けてもらえるそうです。そんなご縁のお手伝いができて、幸せな気持ちになれました。

 

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