私は主に名古屋エリアで仏壇のご供養整理処分をさせてもらっているのですが、先日このような相談をいただきました。
私としては
- 人形供養専門業者に相談してみる
- 私が預かった後、お坊さんによる読経の後、お焚き上げしてもらう
- 粗大ごみに出す
という提案をしました。
相談者の話では、自宅のマンションが手狭で、飾るスペースもなく、押し入れなどにしまうとしてもケースが大きくて収納が難しいとのことでした。このように、雛人形に限らず場合によってはショーケースに入った日本人形が飾ってあり処分したい。という人も多いのではないでしょうか?
家族との思い出もあるでしょうし、人間の形をしていますからポイッと捨ててしまうというのはあまり気乗りするものではありませんよね。
参考になればと思い、このページではいろいろな対処方法を紹介してみたいと思います。その中から自分が納得できる形で進めていけば大丈夫です。どうしてみなさんが悩んでしまうかというと、人形の処分に関しては、明確にこうしなければいけないという規則はないからです。なんとなく捨てづらいし、とりあえずしまいこんであるという人も大勢いらっしゃいます。
そこで今回は「ケースが大きくて収納スペースに困る雛人形(雛飾り)の処分方法」について進めていきたいと思います。
雛人形の由来
奈良時代の頃に、病気などから身を守るおまじないの意味で人形を作り、川に流す風習があったそうです。それがおひなさまの元祖にあたります。
現代における雛人形を飾る風習はその家の女性を守ってくれるお守りの意味で飾るそうで、江戸時代に高品質な人形へと進化をしていったそうです。娘にふりかかる災いを代わりに受けてくれる役割という訳です。私にも妹がおり、実家には毎年飾ってありました。
雛人形に関しては、一説によると持ち主の女の子が成人すれば供養して処分しても良いという考えもあります。特に女の子が産まれていない場合は後世に継ぐこともできないので、お役目を終わらせて上げるほうが良いそうです。
もちろん雛人形は普通にゴミとして処分しても何の問題もありません。
ゴミとして捨ててしまうのはあまりにも不義理に思えてしまうという人のために、これまで見守ってくれた感謝を込めてお焚き上げを行うという方法もあります。
なんていう話もありますが、長年お世話になったお人形さん達ですし、感謝を込めてきちんとお別れをした方がよいのかもしれませんね。
供養方法については以下のような方法があります。
- 郵送による人形供養
- 人形やぬいぐるみのお焚き上げの仲介業者に依頼する
- お寺や神社に持っていく
- 自分で供養処分する
順番にみていきましょう。
郵送による人形供養
日本人形協会という団体が行っているもので、供養したい人形を郵送することで供養してもらえるという代行サービスです。供養は毎年10月に東京大神宮で行われるもので、大々的に供養したい、きちんと供養してもらいたいと思っている人にはお勧めです。このサービスは誰でも利用することができ、利用料金もサイズ内の箱に収まるのであれば一律で5000円です。
ですが引き取ってもらえるのは人形本体のみで、雛人形のように飾りが多いものや、階段のような土台パーツは自分で処分しなければいけません。例えば五月人形のようなガラスケースに入ったものは人形だけを取り出して送らなければいけないようです。
一般社団法人日本人形協会のHPはこちら ⇒ https://www.ningyo-kyokai.or.jp/
人形やぬいぐるみのお焚き上げの仲介業者に依頼する
一般的な内容としては、大型のダンボール箱がもらえて、そこにケースごと入れて送れるなど、かなり簡単に済ませられるメリットがあります。先程のように、ガラスケースなどを除外しなくてもそのまま送ることで処分してもらえるというのがうれしいですね。
デメリットとしては、業者によって条件が異なりますが、たとえば申込みは2箱からだったりするので注意が必要です。値段も簡単に済ませられる分高額になってしまいます。
お焚き上げにかかる費用や配送料金などもしっかりと確認して、これ以外に追加料金がかからないかなどチェックをしましょう。
お寺や神社に持っていく
直接供養の様子を確認したい! 立ち合いをしたい! という人にはこれが一番です。人形供養は基本的にどこでも行われていますので、まずは電話で問い合わせてみるといいでしょう。大きな神社やお寺では社務所などで受付を行っていますので、予約を行って進めていくのが一般的です。
人形を持っていっても即座に供養をしてもらえることはありません。神社・お寺側にも予定がありますので、飛び込みは難しいでしょう。料金は雛人形で1万円前後が相場です。
場所によってこの値段は変動すると思いますので、少しでも安くしたいという人は行ける範囲の神社・お寺に値段を聞いてまわると良いでしょう。
たとえば名古屋市ですと名古屋天神上野天満宮にて9:00~17:00の時間で受付を行ってくれてます。持参していく必要はありますが、料金は3kgまで2000円と親切設定です。
近所にはそういった場所がないという場合は郵送でも引き受けてくれる神社・お寺もあるようです。例えば、高野山真言宗倉留寺や所澤神明神社では郵送での供養受付を行ってくれています。ホームページを持っている神社・お寺はこういったサービスを行っていることが多いようです。
名古屋天神上野天満宮の人形供養HPはこちら ⇒ http://www.tenman.or.jp/ningyo.html
高野山真言宗倉留寺のHPはこちら ⇒ http://soryuji.jp/ningyou.html
所澤神明社のHPはこちら ⇒ https://www.shinmeisha.or.jp/
自分で供養処分する
焚き上げる
自分でといっても素人ができる範囲のため、その方法は限られてきますが、例えば焚き火で燃やして供養するという方法があります。
これには大きな火を焚くことができる環境が必要になります。都会や周囲に住宅地がある場合には近所迷惑になってしまいますし、法令に違反してしまうこともあるようです。しかし、周りに迷惑がかからず、燃やす量が少ないのであれば、自分で燃やして供養できます。
この方法のメリットは、なんといっても費用がかからないという点でしょう。最近の人形などはプラスチックを使っている事が多く、素材にはくれぐれも注意して行いましょう。
粗大ごみで捨てる
儀式だけを自宅で行って粗大ごみに出すという方法でも問題ありません。人形をきれいにしてあげて、清めの塩をまいてお祈りして供養を行ったりします。決まった流れもありませんし、自分なりに雛人形に感謝することで供養は終了となるので、単に気持ちの整理だけつけたいという人におすすめです。
まとめ
「押し入れから出てきた雛人形を処分する方法」というテーマで処分方法を紹介しました。
仮に私が人形処分をすることになった場合には、おそらくけじめをつけたいけど自分ではやりたくないという考えから、郵送で専門機関に送って供養を済ませていたと思います。(私の母は人形に飴を入れて粗大ごみに出したと言っていたのを思い出しました。)
意外と気にしてしまうのが周囲の反応です。雛人形を供養したことを誰かに話す機会になった場合、「捨てた」や「自分で供養した」というのはなかなか受け入れてもらえないかもしれません。特に代々引き継いできたような雛人形であればきちんとお焚き上げしてもらって供養するのが誰に対しても真摯な対応として受け取ってもらえるでしょう。
人形の処分はあくまでも家庭から出てくるごみという認識で問題は全くありません。供養しないといけないという規則やルールは無いのですから。結局は気持ちの問題ということになってしまいますが納得のいく方法を選びたいものですね。
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