お寺に永代供養をお願いしていて、魂抜きを断られた時の対処方法

先日このような問い合わせをいただきました。

相談者
家に仏壇があるのですが、位牌が置いてあり、なぜかお寺にも同じ人の位牌が置いてあります。
住職に仏壇の処分を相談したのですが、魂抜きはできないと断られてしまいました。どうしたらよいのでしょうか?

選択肢として以下のような提案して、電話を終えました。

  • お寺から位牌を家に移動させて、仏壇と一緒に魂抜きをお願いする
  • 位牌をそのままお寺に残し、家の仏壇と位牌の魂抜きをお願いして、仏壇を片付ける
  • お寺との付き合いを辞めて、こちらから、対応してくれる僧侶を紹介し魂抜きを行う

正直なところ、中途半端なアドバイスとなってしまいました。その後、どうしてもその事が気になり、宗派が曹洞宗とおっしゃっていたので、曹洞宗について調べてみました。

位牌の役割りについて

位牌には先祖の戒名や命日が記されており、位牌を目印にお盆に帰ってこられるとされています。位牌がないと先祖が迷って帰ってこられないとされている宗派が多いです。

曹洞宗も、そういった考え方の宗派になります。

本位牌

位牌の例

魂抜きとは?

管理する人がいなくなってしまったなどの理由で、仏壇を処分しなければならなくなった時には、魂抜きという法要を行って仏壇を処分します。

仏教では仏壇にはご先祖さまの魂が宿っていると考えています。ご先祖さまの魂をそのままにして仏壇を処分することは仏教の教えではタブーとされています。そのため、ご先祖さまの魂を仏壇から抜いていただき、それから仏壇を処分するということになります。

このような時に行われるのが、魂抜きと言われる法要になります。魂抜きは(たましいぬき)、お性根抜き(おしょうねぬき)ともいわれる仏事の一つで、仏壇や位牌を供養したり、処分したりする時に必要な法要です。

魂抜きでは、僧侶の方にお経を唱えてもらい、仏壇に宿ったご先祖さまの魂を抜いてもらって供養を行います。そして、その後にご先祖さまの魂が抜けた仏壇を処分するということになります。このような法要は閉眼供養(へいげんくよう)とも言われ、僧侶が読経して法要を行います。

なぜ魂抜きができないといわれたのか?

魂抜きができないと言われたのは、家の仏壇ではなく、お寺で預かっている位牌のことだったのかもしれません。推測の話にはなってしまいますが、お寺が位牌の永代供養を行っていたのでしょう。きっと相談者の親族の方が、以前からお寺にお願いしていたのかもしれません。

お寺の永代供養とは?

様々な事情によって自宅に仏壇がなく、位牌を祀れない人向けに、お寺での位牌の永代供養ということを行っているお寺が多いそうです。流れとしては、位牌をお寺で預かり、追善供養(ついぜんくよう)を行い、およそ3年ほどお寺の位牌堂でお祀りをして、その後過去帳に移して永代供養を行ってくれることが一般的です。(浄土真宗では位牌をお祀りしません。理由は後述します)

追善供養とは?

追善供養とは亡くなった人を仏様になってもらう為に、生きている家族や親族が、仏様にしてもらえうように後ろから後押しする事を言います。例えば、亡くなった方の三回忌などの、年忌法要を継続して行っていくという供養を続けていきます。

曹洞宗の追善供養について

曹洞宗では、追善供養を行う事によって、自らがよい行いをする事によって功徳を積み、仏様になろうという考えのようです。

亡くなった日から四十九日(49日目)、百か日法要(100日目)とつづき、
一周忌(1年後)
三回忌(3年後)
七回忌(7年後)
十三回忌(13年後)
十七回忌(17年後)
二十三回忌(23年後)
二十五回忌(25年後)
二十七回忌(27年後)
三十三回忌(33年後)
五十回忌(50年後)

と、供養を続けていくそうです。

浄土真宗には追善供養という概念がない

浄土真宗では、先祖の追善供養を行わないので、位牌を仏壇にお祀りはしません。(お祀りしてはいけないという事ではありません。浄土真宗の家でも位牌をお祀りしている家はたくさんあります。)

理由は、「どんな人でも(極悪人でも)阿弥陀さまが救ってくださる」とされています。亡くなった後は、仏様になっていらっしゃるのです。亡くなった人に仏になってもらう為に、現世を生きている人がお願いしなくても、阿弥陀さまは必ず救ってくださいます。という事です。

ですが、三回忌などの年忌法要も行います。三回忌などの機会をご縁に、亡くなった人の生前の姿を思いを出しながら、信心を深めましょう。という位置づけになっています。

まとめ

曹洞宗もその他宗派も、追善供養をきっかけに、お寺のお坊さんと接する機会をつくり、法話を聞きましょう。ということでしょうね。寺子屋とよばれるように、昔はお寺が学校だったということも納得がいきます。

少々脱線しましたが、お寺の住職としては

住職
永代供養としてお預かりしている位牌なので、途中で辞める事なんてできません。

という意味だったのではないかと思います。(あくまでも想像ですが・・・)

仏壇を継続して祀る事が難しい場合、対処方法としては、お寺で位牌の追善供養を引き続きお願いして、家の仏壇を片付けるという方法で問題はありません。仏壇の魂抜きはお寺にお願いしましょう。今回の件は、曹洞宗について大変勉強になりました。

 

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