仏壇の片付けを娘に負担をかけないように行う方法

先祖供養として、お墓や仏壇といったもので供養を行われていますが、昔から代々家族で受け継がれてきました。

息子がいる場合は息子が受け継ぎ、結婚をしてお嫁を貰ったりした場合でもそのお墓に入ったりすることがほとんどですが、娘しかいない場合は嫁いで行ったりとお墓や仏壇を受け継ぐ人がいなくなり、仏壇を片付けたいという人が増えています。

こういったケースは意外に多いようで、どうしたら良いのかと相談をもらうことがあります。

仮に仏壇を片付けたら、先祖の供養が出来なくなるわけではありません。継承できない仏壇は、魂抜きという儀式を行い、儀式の後に仏壇を処分すれば大丈夫です。

今回は、継承者がいない場合の仏壇の片付けを行う方法と発生する費用について紹介してみたいと思います。

魂抜たましいぬき(お性根抜しょうねぬき)について

娘が嫁ぎ、管理する人がいなくなってしまったなどの理由で、仏壇を処分しなければならなくなった時には、魂抜たましいぬきという法要を行って仏壇を処分します。

仏教では仏壇にはご先祖さまの魂が宿っていると考えられているからです。ご先祖さまの魂をそのままにして仏壇を処分することはしてはいけないとされています。

そのため、お坊さんに先祖の魂を仏壇から抜いてもらい、それから仏壇を処分します。

このような時に行われるのが魂抜たましいぬきと言われる法要になります。魂抜きは、お性根抜しょうねぬきともいわれる仏事の一つで、仏壇や位牌を供養したり、処分したりする時に必要な法要です。

魂抜きでは、お坊さんにお経を唱えてもらい、仏壇に宿ったご先祖さまの魂を抜いてもらいます。

そして、魂が抜けた仏壇を処分をします。このような法要は閉眼供養へいげんくようとも言われます。

お坊さんと仏壇

【お坊さんによる魂抜きの様子】

現在では、お寺とお付き合いが無い人向けに、僧侶の派遣サービスなども存在しています。お坊さんにお渡しするお布施の相場は1万円から5万円くらいと言われています。

処分を自分で行うか、業者に依頼するか

あなた自身が処分をするのか、業者に依頼するのかにもよって方法は変わってきます。仏壇の大きさによっては、自分で行うのは難しいかもしれません。

業者に依頼をする場合は、主に以下のような業者が存在します。

  1. 仏壇店に処分を依頼する
  2. 仏壇整理専門業者に処分を依頼する

順番にみていきます。

・仏壇店に処分を依頼する

住まいの近くにある仏壇店に実際に相談をしてみて仏壇の処分を行っているかを確認し、可能であれば依頼をするという方法です。

メリットとしては、自宅から近い場合は処分にあたる費用や見積もりといったものも抑えることができ、自宅まで回収しにきてもらえるといったメリットがあります。あなた自身や子供にも負担をかけずに片付けができることが大きなメリットでしょう。

デメリットとしては、自宅の周辺に仏壇店が存在しない場合や、依頼をする仏壇店によっては処分は受け付けていない店舗も存在します。(新規購入を前提としてない等の理由から高額になったり、断られるケースが多い)また、全てを依頼するということになれば費用がかさんでしまうということもあります。

・仏壇整理専門業者に処分を依頼する

近年では高齢化も進み、仏壇やお墓を処分するという人もどんどん増えています。そのような時代の流れから、仏壇処分を専門に扱っている仏壇整理専門業者も増えてきています。

メリットとしては、インターネットから依頼をすることができ、処分費用も仏壇店などに依頼するよりも安い料金でサービスを提供しています。また、魂抜きの儀式も含めて、まるごと依頼できますので手間が省けます。

デメリットとしては、インターネットを利用して依頼するため、見積もりや依頼といった部分を自分自身で行わないといけないため、パソコンやスマートフォンの操作にある程度の知識が必要となってしまうかもしれません。

【仏壇整理専門業者による仏壇の運び出しの様子】

・自分自身で処分をする

3つ目の方法としては、仏壇の処分を自分で行う方法です。業者に頼む場合は、必然的に費用が掛かってしまいます。

もちろん費用を抑える方法もありますが、少なからずそれなりの金額がかかってしまうため、できる限り費用を抑えたいものです。

その場合は、自分自身で処分をする必要がありますが、もちろん労力はかかってしまいます。仏壇の素材は、ほとんどが木で出来ているため、実は一般の粗大ゴミとして処分をすることが可能です。

しかし、仏壇は装飾されているものがほとんどであり全面が木で出来ているわけではなく金具といった細かい部品がついている物が多いです。そのため、ゴミとして処分する場合においてもしっかりと分別を行わないと引き取ってくれないこともあります。

自治体によっては有料で粗大ゴミとして引き取ってくれるエリアもあるため、各自治体の確認してみましょう。費用を大きく抑えることができるはずです。

仏壇処分をするにあたってかかる費用はどれくらいか

あまり、高額な費用がかかるようでは家族にも迷惑をかけてしまうかもしれないといった心配もあるでしょう。そこで処分方法ごとによっての費用をまとめてみました。

・仏壇店などに依頼をする場合

近所にある仏壇店に依頼をする場合は、大きさや重さといった仏壇のサイズはもちろん仏壇店によっても費用は大きく異なってきますが、おおよそ4万円~10万円くらいが相場です。しかし、10万円などの高額の処分費は大きな仏壇の処分以外では掛からないため一般的には6万円程度といった計算で大丈夫です。

もちろん小型のものであればあるほど金額も安くなるため、自身で依頼をするのにも大きな負担にもならず、子供などにも負担になることはあまりないでしょう。

・仏壇整理専門業者へ依頼する場合

専門業者に依頼をする場合の費用は、相場では仏具店に依頼するよりも安く、3万円~5万円程度となります。もちろん小型のものであれば更に費用は抑えることも可能です。

・自分で処分をする場合

自分で処分をする場合は、完全に分別を行い一般ゴミとして捨てれば実質は0円で処分をすることができます。自治体の粗大ゴミとして捨てる場合は3000円程度を目安として見積もれるでしょう。

仏壇を売ることも可能

実は仏壇は売ることも可能ともなっています。もちろん、お性根抜きを行っていることが前提となりますが、仏具店やリサイクルショップなどで買取を行っていることも多いです。

ネットオークションにおいても出品されているケースも多く、高価な仏壇は工学で取引されていることもあります。

しかし、一度先祖の魂を入れたものでもあるためそれを他の家族に渡すというのもあまり気持ちの良いことではないかもしれません。

また、手続きはもちろん仏壇の解体作業や梱包といったものまでも自身で行わないといけないため非常に多くの労力が掛かってしまうため、あくまでも1つの方法でもあるといったイメージで頭に入れておく程度に留めておくことが良いでしょう。

まとめ

ここまで仏壇処分の流れや費用についての説明を行いましたがいかがだったでしょうか?仏壇やお墓は、受け継ぐ人間がいない場合、処分することを考える必要が出てきます。

息子がいれば受け継ぐことができますが娘が嫁いでしまったりすると継承する事が難しくなるでしょう。一切負担をかけたくない場合であればしっかりと仏壇店や仏壇整理専門業者に相談をすることをおすすめします。

状況や予算に応じて臨機応変に、仏壇処分を行うことができれば一番理想ですね。

 

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