仏壇処分の後に供養を続ける方法:(厨子というミニ仏壇の用い方)

実家の解体や、引越などの理由により、大きな仏壇を所持することが難しい人が増えています。

このような場合には、大きな仏壇の代わりに厨子ずしと呼ばれる、ミニサイズの仏壇をお迎えするという方法もあります。 厨子ずしとは、本尊や位牌を安置する仏具です。

大きな仏壇を構えなくても、最近では仏間としてスペースの確保の難しさなどから、厨子ずしに買い替える人が増えています。

今回は、仏壇の処分の方法と、厨子ずしと呼ばれるミニサイズの仏壇に買い替える方法を紹介します。

仏壇を処分する方法

まず、実家などにある大きな仏壇の処分方法を紹介します。

  • 僧侶にお越しいただき魂抜きを行う
  • 仏壇の中身を確認する
  • 仏壇を運び出し処分をする

僧侶にお越しいただき魂抜きを行う

魂抜たましいぬきを行い、(浄土真宗では遷仏法要せんぶつほうようとも呼ばれます)仏壇とお別れをする法要を行います。 魂抜たましいぬきは、寺院のお坊さんにお願いします。 魂抜きを行うことによって、仏壇の中にある位牌や、本尊ほんぞんやその左右にある脇侍わきじを片付ける事ができるようになります。  

魂抜き当日に用意しておくもの

  • ろうそくや線香
  • マッチやライター
  • 数珠じゅず
  • 仏花
  • 布施ふせ

仏壇を処分する場合には、僧侶にを招き読経どっきょうを行ってもらいましょう。魂抜き当日までに、ろうそくや線香、仏花を用意しておいてください。 僧侶にお越しいただき、読経が終わったら、仏壇中央にある本尊ほんぞんとその両側にある脇侍わきじをどうすればよいのか? お越しいただいた僧侶に相談してみるとよいでしょう。 同時に持ち帰ってもらえる事もあります。 魂抜き当日は、必ずお布施も用意しておき、最後にお越しいただいた僧侶に、感謝の気持ちを伝えましょう。

掛軸

左より 脇侍⇒本尊⇒脇侍

布施ふせの語源

むかし、「粗末な衣服をまとっていたお坊さんに対して、布(衣類)を施したこと」が由来です。 現代では現金で形を表しています。 相場は1万円~5万円と言われています。 お願いをする僧侶に可能であれば事前に相談しておきましょう。「みなさんはいくらほど用意されていますか?」と尋ねれば答えやすいと思います。

仏壇の中身を確認する

魂抜きが終わったら、運び出す前に、仏壇の中身を一度確認してください。 貴重品等が残っていれば必ず保管しておきましょう。

仏壇の中によくしまってあるもの

  • 現金
  • 通帳や印鑑
  • 免許証等の身分証
  • 位牌や遺影(写真)
  • 火葬証明書
  • 手紙

以上のような物が入っている事が多いです。 仏壇中央あたりに分かりにくい扉があるタイプの仏壇もあり、引き出しになっている事があります。 しっかりと取り忘れがないか確認しましょう。

いろいろな収納スペース

仏壇には引き出しがたくさんあります

仏壇の運び出し処分する

魂抜きの終わった仏壇は、粗大ごみで出すことも可能です。 この場合、市町村によって料金が異なったり、対応してもらえない場合もありますでの、各自治体に確認を行いましょう。 定期的に仏壇のお焚き上げを行っている寺院に相談してみるのも良いでしょう。

 お焚き上げとは?

げとは、感謝の気持ちを込めて、天に返すための儀式です。「どんど焼き」と呼ばれることもあります。 日本では、想いを込めたものには気持ちが宿ると言われており、浄火することによって天上へ還す事により、炎の力で清められると考えられています。 仏壇の整理を行っている専門業者の中には、魂抜き供養の後、焼却炉にてお焚き上げを行っているところもあります。

 【お焚き上げの様子】

お寺と付き合いがなかったり、どこに頼んだらよいかわからなかったり、自分で対応できなかったりする場合は、仏壇整理専門業者に依頼するのもひとつの方法です。

厨子ずし(ミニサイズ仏壇)に買い替える方法

大きな仏壇を処分したあと、ミニサイズの仏壇をお迎えしたいと考えている人も多いと思います。 仏壇店で新たに仏壇を購入する事もできますが、浄土真宗本願寺派の住職に教えてもらった、お勧めの方法を紹介します。 

新たに本尊をお迎えする方法

 浄土真宗本願寺派では、本山より免物めんもつ本尊ほんぞん)を申し込むことができます。参拝教化部へ問い合わせしてみましょう。

免物とは?

仏壇の上部中央によくまつってある、浄土真宗でいうところの阿弥陀如来あみだにょらいの掛軸などの事です。 この阿弥陀如来をお迎えする事で今まで通り、形を変えて、仏壇を置いていくことと、同じ意味になります。

本願寺 参拝教化部 免物係

 コンパクトなサイズで料金も大変リーズナブルです。 もしも、ミニサイズの仏壇(例えば高さ60cmくらいの仏壇)を新たに購入する場合、ランクにもよりますが、60万前後の費用がかかると思いますが、厨子タイプをこのようにお迎えすれば、費用はかなり抑えられるはずです。

参考サイト https://www.hongwanji.kyoto/visit/pdf/menmotsu_kakejiku.pdf

まとめ

今回は、浄土真宗におけるお仏壇の処分の方法と、新たに免物をお迎えする方法を紹介させていただきました。 家に仏壇を置くのは難しいという人も、形を変えて引き続き継承していくという選択もあるのではないのでしょうか。

どのような選択をするにしても、家族や親族としっかり話し合った上で進めていく事をお勧めします。

 

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