位牌を手元に残す必要があるの?処分の仕方と保管方法について

仏壇がある家庭では、仏壇と一緒に位牌を祀ってある家が多いです。

亡くなった人の形見のようなイメージで大事にされていると思います。しかし、何らかの事情で仏壇を片付ける事になり、一緒に位牌を供養じまいする人が増えてきています。

 
供養じまいする時に位牌を手元に残しておく必要はあるのでしょうか?

結論から申しますと、必ずしも手元に残しておく必要はありません。なぜなら所持することが義務ではないからです。

位牌は、亡くなった方や先祖に帰るべき家を教える目印のようなものなのであり、様々な事情により、位牌を継承していく事が難しくなり、悩んでいる人は実際にたくさんいます。

それを無くすなんてとんでもない!と思われるかもしれませんが、位牌も仏壇と同様にお坊さんに魂抜きをお願いしてお焚き上げをすることで整理をすることができます。

今回は位牌を手元に残す必要があるの?処分の仕方と保管方法について詳しく解説してみます。

位牌とは

そもそも位牌は、後漢時代の中国の儒家で用いられたもので亡き人の官位と姓名を記した木簡もっかんとよばれる木の板を祀るのが始まりで、そこには神霊が宿ると信じられていました。やがて日本でも先祖崇拝すうはいと結びつき、鎌倉時代に仏教にも転用されたそうです。

位牌は、亡くなった方の戒名や法名を記した木の札を指します。誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。 葬儀の際に目にする白木の位牌はその場かぎりのもので「仮位牌かりいはい」と呼ばれ、四十九日までに漆塗りなどを施した「本位牌ほんいはい」と取り替えます。

本位牌には戒名かいみょう没年月日ぼつねんがっぴ俗名ぞくみょう、年齢が彫られ仏壇に祀らるのが一般的です。

また、寺院などで祀られる寺院位牌なども存在します。解釈は人によって異なりますが、そのひとつに亡くなった方の魂は空中を漂っていると考えられています。

四十九日の法要が終わり、仮位牌に入っていた魂が本位牌に移された後の仮位牌は処分しても大丈夫です。木材でできているため普通ごみとして出しても問題ありません。 位牌というのはご先祖様が迷わずに家に帰ってくるための目印とされています。

 

様々な位牌

【色々な形をした位牌の例】  

位牌の種類

本位牌には大きく分けて「本位牌ほんいはい」と「回出位牌くりだしいはい」の2種類があります。

本位牌ほんいはい

本位牌

【本位牌の例】

台座に札板が付いた一人用のものです。亡くなった人のために個別に作られる位牌を指します。京都、和歌山、会津若松、名古屋などで主に生産されているほか、最近では中国やベトナムなどからの輸入品も多く出回っています。輸入品は安価ですが、やはり国産のものは高級品であり人気が高いです。

白木位牌しらきいはい

白木位牌表

【白木位牌の例】

回出位牌くりだしいはい

繰り出し位牌

繰り出し位牌開

【回出位牌の例】

台座に箱のようなものが付いた複数人用の位牌です。箱の中には戒名かいみょうを記す木札が数枚入っており、一つの位牌で複数人のご先祖様をまつれるようになっています。

夫婦で一枚の札に記されるケースもあり、戒名かいみょう俗名ぞくみょう享年きょうねんが書かれます。存命の場合は赤文字で記します。夫婦で一枚を用いる場合は左側に妻、右側に夫の戒名を入れることとされています。

位牌は所持していないといけないの?

仏壇の供養じまいと一緒に位牌も処分するのが一般的です。位牌を所持し続ける必要はありません。所持したい人が持っていれば良いということです。

位牌の所持に関しては、法律で定められている訳ではありません。現在の日本の法律では宗教についても自由です。

日本国憲法 第20条【信教の自由】より抜粋

  • 第1頁 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権受け、又は政治上の権力を行使してはならい。
  • 第2頁 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
  • 第3頁 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

信教の自由は、国民の権利として守られています。

そもそも日本では、仏壇や位牌をそれぞれの家が置くようになったのは江戸時代と言われています。

徳川家康

檀家制度に力を入れた徳川家康

江戸時代に日本の人々の戸籍管理をするのに現在でいう役所の役割をお寺が担ってました。そして更には当時の徳川家康は、キリスト教の弾圧にも力を入れており、必ず仏教徒でなければならないという法律を作りました。

そんな状況から、

「私の家は仏教です」という目印に家に仏壇を置くのが流行したそうです。その名残りが現在にも続いているという訳ですね。

もちろん位牌や仏壇は、あなたの家族や先祖が代々大切にされてきた物だと思いますし、大切に継承したいという気持ちも素晴らしいことです。

だからといって無理に所持し続ける必要は全くないわけです。

次に位牌を残す場合と処分する場合を説明していきます。

位牌を残す場合の保管方法

(一般的な仏教としての位牌の扱い方を解説しております。)

位牌の並べ方

位牌を祀るのは、仏壇の2段目が一般的です。 1段目に祀っている本尊の目線より下に位置することがポイントです。 本尊と同じ段に祀る場合は、本尊よりも背の低いものを選びましょう。 また、複数の位牌がある場合には上座である右側から順にご先祖様を祀りましょう。

お手入れ不要

位牌のお手入れは特にしなくてもかまいません。 逆にお手入れしようとして金箔や金粉が剥がれてしまう可能性もあるので注意しましょう。 柔らかい布などで軽くほこりをはらう程度で十分です。

ルールを守れば移動しても良い

家の中で仏壇の位置を変えたり位牌の位置を変えたりするのは問題ありません。 しかし、仏壇と位牌は必ずセットにしておくものなので位牌だけを別の部屋に祀ることは避けましょう。

また、引越しなどで家の外へ移動する場合は魂抜きや魂入れをしてもらった方が良いでしょう。 位牌には亡くなった方の魂が宿っていると考えられているため、大切に扱うことを徹底しましょう。

白布で目隠しをしましょう

家の外へ位牌を移動させる場合は、裸のまま運ばずに白布などで目隠しで包みましょう。 ご先祖様の魂が入っている位牌をそのまま運ぶのは失礼にあたります。

また、白布で包むことによって、移動中に位牌の表面に傷が付いたりすることもありません。 また、位牌を床や畳に直接置くことも決して行わないでください。本尊や位牌は、いつでも目の高さよりも上にくるように配置しましょう。

位牌包む様子3

【移動の際には白布で包みましょう】

位牌を処分する場合の方法

魂抜きをする

管理する人がいなくなってしまったなどの理由で、仏壇や位牌を処分しなければならなくなった時には、魂抜きという法要を行って処分します。

仏教では仏壇にはご先祖さまの魂が宿っていると考えています。ご先祖さまの魂をそのままにして仏壇を処分することは仏教の教えではタブーとされています。そのため、ご先祖さまの魂を仏壇や位牌から抜いていただき、それから処分するということになります。

このような時に行われるのが魂抜たましいぬきと言われる法要になります。魂抜きは、お性根抜しょうねぬきともいわれる仏事の一つで、仏壇や位牌を供養したり、処分したりする時に必要な法要です。

魂抜きでは、僧侶の方にお経を唱えてもらい、仏壇に宿ったご先祖さまの魂を抜いてもらって供養を行います。そして、その後にご先祖さまの魂が抜けた仏壇や位牌を処分するということになります。このような法要は閉眼供養へいげんくようとも言われ、僧侶が読経して法要を行います。

お坊さんと仏壇

【魂抜きの様子】

魂抜きを終えたら?

魂抜きを終えた位牌は、それぞれの自治体のごみの分別ルールに従ってください。

ごみに出すのは抵抗があるという場合は、お寺や神社でお焚き上げしてもらうこともできます。一度お世話になっているお寺などに確認してみましょう。(亡くなった人はどんな人でもすぐに仏になるという考えの浄土真宗では、位牌は必要がないとされていますが、家族の思いから位牌を作られている家が多いようです。私の実家も浄土真宗ですがやはり位牌は仏壇に祀ってありました。)

また、仏教の世界では亡くなってから30年を一区切りとして無事に霊界へ行けるとの考えがあります。このことから三十三回忌を過ぎたら個人の位牌はお焚き上げをしてもらい、ご先祖様の位牌と合わせるという考え方もあります。

仏壇を置けなくなった等の事情により、処分する人も増えていますが、お寺に位牌の永代供養をお願いするという方法もあります。  

まとめ

仏壇や位牌を継承していくということは、仏教の信仰がある日本では昔から行われていたわけですが、必ず続けていかなければならないという事ではありません。また、信教は自由ですから継続して所持してまつっていくという考え方を否定しているわけでもありません。

私自身は、形のある物にこだわらなくても先祖の供養は続けていけると考えております。位牌を所持しないからといって魂抜きを行い、位牌じまいを行えば悪いことをしている訳ではありませんし、申し訳ない事をしている訳でもありません。

さいごになりましたが、価値観はそれぞれで異なり様々です。勝手に判断して事を進めていくとトラブルの原因になりますので、位牌じまいを行う場合には、必ず家族や親族としっかりと話し合ったで進めていきましょう。

 

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