家に仏壇意味ないの?意味あるの?設置された由来とは

どうして家に仏壇が置いてあるのだろう?多くの家庭には仏壇が備わっているのですが、いったいどのような役割を持っているのか知らない人がほとんどです。あなたは、仏壇がどうして家に置いてあるのかをご存知ですか?

管理者
どうして家に仏壇あるのかな?

私は、仏壇を処分しようと考えた時に、なぜ我が家に仏壇があるのだろう?と思い、意味を色々調べてみました。すると調べてみるまで全く知らない事ばかりでした。そこで今回は仏壇がどのような理由によって、自宅に置くことになったのかを紹介し、仏壇の処分方法を説明したいと思います。

仏壇が設置されていている様々な意味や理由

・江戸時代の檀家制度によって一般家庭にも仏壇が設置されるようになった

江戸時代前は、主に貴族や有名武将などの家庭にしか仏壇は設置されていなかったようです。しかし、江戸時代になると徳川家康によって、檀家だんか制度という制度が実施され、民衆は必ずいずれかの寺院に対する檀家にならなくてはいけない制度が定められました。

今でいうお寺を市役所的な存在にしたかったのでしょう。これまでは貴族や一部の有名武将などの家庭しか見かけなかった仏壇が、一般家庭にも広がり、当たり前のように設置されるようになったのは、これが根本の大きなきっかけだったのです。

徳川家康

【檀家制度によって各家庭に設置されました】

・精神的に大きな役割を果たしている仏壇

江戸時代には、檀家制度によって一般家庭の多くに設置された仏壇なのですが、主に精神的な支えとして設置されています。仏壇にお祈りもしくは手を合わせることによって、仏教に触れ合うことができ、精神的な安心感を感じやすくなったのでしょう。

今も継承され続けている大きな理由のひとつと言えるかもしれません。現在と比べても江戸時代は、そこまで治安がよかった訳ではありませんでしょうし。そこで多くの人々が安心して生活できるように仏壇に対し、手を合わせることで精神的安定を求めていました。

大型な仏壇の例220cm

【極楽浄土を彷彿とさせる浄土真宗の仏壇】

・亡くなった人との会話口として役割を果たしている仏壇

仏壇は精神的な安定を得られるだけではなく、亡くなった人との会話口の役割を持っています。お盆の時期になると亡くなった人の多くが現世に戻ってくると昔から信仰されていました。

そこで仏壇に手を合わせることで、亡くなった家族や先祖をうやまう場所として仏壇は信仰されてきました。このような重要な役割を持っており、現在に至るまで仏壇を設置している家庭が多いのでないでしょうか。

・目に見えない霊魂が宿っている可能性

仏壇に対して、健康第一や自身の幸せなどを理由にお祈りしている人も多いです。設置されている仏壇によっては先祖の霊魂が宿っており、お祈りしている人物に少なからず影響を及ぼしていると考えている人もいます。

毎日仏壇に対してお祈りし、先祖の霊魂に対し、自身の希望や想いを伝えることができ、良い影響を与えられるようになっているのかもしれません。

様々な理由によって仏壇を処分する人が増えている

・仏壇を設置するスペースを確保できない

色々な仏壇の役割を紹介しましたが、仏壇を設置するには、ある程度のスペースを確保しなくてはいけません。大きな間取りや空間で生活している人は、ほぼ問題なく仏壇を設置することができますが、現代の日本では、ワンルームや1Kなどの狭い間取りで生活している人も多く、仏壇を設置するのが難しくなってきています。

そこで仏壇を設置するスペースを確保できないため、致し方なく仏壇を処分することになります。小型化されている仏壇も増えているのですがそれでも設置するのが難しくて、処分を検討している人が増えてきています。現在の住宅事情の話になりますが、仏間というスペースをほとんど設けていないのが現状です。

・洋風の住まいに仏壇は合わない

仏壇は和風の住まいには合っているのですが、残念ながら洋風の住まいには、合っていないですよね。家の内装などを気にする人にとって、むやみやたらと仏壇を設置してしまうと家の中の雰囲気がおかしくなってしまいます。

特に近年は、和風の住まいではなくて洋風の住まいが急激に増えています。洋風の住まいでは残念ながら仏壇が合わないという理由で、仏壇を手放す人もたくさんいます。

・事情によって毎日仏壇の手入れを行うことが不可能

基本的に仏壇は毎日手入れを行っていき、できる限り綺麗な状態を保たなくてはいけません。また線香や仏花だけではなくて、ろうそくや浄水の他に飲食などの五供を実施しないといけないので、人によっては面倒になってしまう場合もあります。

忙しい日々を過ごしている人は、毎日の仏壇の手入れを続けていくのが難しいです。そこで仏壇の手入れから解放されるため、仏壇処分という決断をする人もたくさんいます。

仏壇を処分する為に行っている色々な手順や処置

仏壇を処分する際には、魂抜きという法要を行います。魂抜たましいぬきとは、閉眼法要へいげんほうよう性根抜しょうねぬきとも言われ、お墓や仏壇、位牌などから魂を開放し、処分するための儀式のことをいいます。お墓を改装したり墓じまいをしたりするときにも行いますし、仏壇や位牌などを処分・交換するときにも行います。

・魂抜きすることで先祖の霊魂に悪い影響を与えないようにする

仏壇を処分するには、まず仏壇に対して魂抜きを行いましょう。この魂抜きは、多くの寺院で行っているのでお坊さんに依頼すれば、実施してもらうことができます。お布施ふせという形でお金が必要になります。

具体的なお布施額は、決まっていないのですが1万円から5万円と言われています。

お坊さんと仏壇

【お坊さんを招き魂抜きをしている様子】

・不用品回収業者に依頼することで処分

魂抜きが終了したら不用品回収業者に依頼することで、不要になった仏壇を回収してもらうことが可能です。現在では多くの地域に不用品回収業者が存在しており、仏壇回収に対応している業者が多いです。

ただ、仏壇回収を行っている業者によって、どのくらいの費用が必要になるのか異なっています。少ないお金で仏壇を回収してもらいたい人は、事前に見積もりを実施してもらってどのくらいのお金が必要なのか比較することがポイントです。

もちろん、自治体によっては、粗大ごみで処分する事も可能です。各自治体に問い合わせする事も一つの方法ですし、魂抜きと仏壇回収を同時に行っている仏壇整理業者の存在しています。

仏壇の搬出前のお参りの様子

仏壇の運び出し

【仏壇整理業者による仏壇の運び出し】

・仏具店やお寺でも処分することが可能

丁寧に処分してもらいたいと考えている人は、仏具店や仏壇整理業者に処分してもらうのも一つの方法です。仏壇整理業者の場合は、無事処分完了した場合、証明書を発行することで知らせてくれるケースもあります。

【ご供養完了証明書の例】

・ネットを利用して不要な仏壇を買取してもらう方法

ネットオークションや個人間取引の他に仏壇買取業者に申込など色んな方法が存在しています。しかし、中古の仏壇を利用するという需要は残念ながら少なく、なかなか買い取ってもらうのが難しいのが現状です。

まとめ

今回は家に仏壇意味ないの?意味あるの?設置された由来とはというテーマで記事にしてみました。

仏壇は精神的な安定の他に先祖の霊魂が見守ってくれたり、亡くなった先祖との会話口の役割を果たしているので重要な存在ともいえますが、徳川家康による政治的な思惑から始まり、昔からのしきたりで教育を受け、現在に至るのが現状です。

代々受け継いでいきたいという気持ちも大切ですが、令和に入った現在、昔からの価値観にとらわれる必要はありません。(もちろん大切に守っていきたいという考えが間違っているという訳でありません。)

もしも仏壇を処分をする場合は、魂抜きを実施し、無事に完了させたら不用品回収業者の他にお寺や仏具店で、処分することも可能ですし、手順を踏んで行えば、問題は全くありません。

現在増えてきている、「仏壇を継承する事を辞めるという行為が、先祖を粗末に扱うという事にはならない」と私は考えます。先祖をうやまう気持ちと物理的な対応は別々で考えたほうが自然ではないでしょうか。どのような方法を行うにしても、代々継承されてきたものですし、家族や親族としっかりと話し合いの上、対応していってもらいたいですが、参考になれば幸いです。

 

関連記事

仏壇を処分したいとお考えの方へ ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/08/14/1408/

仏壇処分は悪いこと?罪悪感を感じてしまう場合の対処方法 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/65/

仏壇処分の後に供養を続ける方法:(厨子というミニ仏壇の用い方) ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/03/02/673/

 

位牌・遺影・仏壇などの魂・お性根抜き供養~整理処分をするなら → https://gokuyo.com/