浄土真宗(真宗大谷派)の仏具

真宗大谷派の仏壇の飾り方と仏具の種類

古くから名古屋にお住まいの家系の家には、浄土真宗(真宗大谷派)の仏壇が多く存在します。火立て(ろうそく立て)が鶴亀デザインなのが特徴的ですよね。

今回は真宗大谷派の仏具について解説してみようと思います。

ご本尊

真宗大谷派の仏壇を祀る際には、まず本尊は阿弥陀如来の仏像か掛け軸を、最上段中央に飾ります。仏像の場合は、後光の下に彫り物のないもの、掛け軸の場合は、上部に届いている後光が6本のものになります。

東阿弥陀如来

【掛軸の場合の例(上枠に光が6本)】

脇侍

脇侍は、阿弥陀如来に向かって右に「十字名号」(または親鸞聖人)

左には「九字名号」(または蓮如上人)を掛けます。

左右は一対になっており、本尊が掛け軸の場合には三幅で一セットになっています。

十字名号の掛け軸には、「帰命尽十方無碍光如来」、南無阿弥陀仏の徳のはたらきをあらわしたこの名号は、

十方のあらゆる世界の隅々まで至り届き、何ものにも妨げられることなく、すべての人々を分け隔てなく救う阿弥陀さまのはたらきを示したものだ、と説かれています。

九字名号の掛け軸には「南無不可思議光如来」、南無阿弥陀仏の徳のはたらきをあらわしたこの名号は、人間の考えの及ぶことを超えた阿弥陀さまの徳を示したものだ、と説かれています。

油茶器・仏器

本尊・脇侍の一段下には、お水(やお茶)を入れてお供えする湯茶噐と仏噐を置き、その両脇にお餅や落雁、果物やお菓子をお供えする、八角供花を置きます。

浄土真宗では亡くなった方はすでに阿弥陀如来に導かれてお水も食べ物も豊富にある極楽浄土にいると考えるため、お供えは全て阿弥陀如来に向けて行います。

そのため、仏教では殺生を好ましく考えないため、肉や魚を避けるのが一般的で、故人が好きだったからという理由でカレーなどをお供えするといったことはできません。

また、浄土真宗では一般的には、お茶はお供えしません。

花立て

その一段下の向かって左には、花瓶である花立てを置き、季節のお花を供えます。

花立て(大谷派)

過去帳・見台

右には過去帳と見台を置きます。

過去帳とはお亡くなりになった方の戒名・没年月日・年齢などを記載した帳簿で、必ず日入りのもの(罫線の上に日付が入ったもの)を使います。

見台とはそれを立てかけておく、いわば譜面台のようなものです。

過去帳の見本

火立て・香炉

その一段下(最下段)には、火立て(ろうそく立て)、香炉を。

ろうそく立て(大谷派)

香炉(大谷派)

花立て+火立て+香炉 を合わせて、三具足(三種の仏具)とされています。

火立てと花立てが一対ずつ用意できる場合、五具足となります。香、華、灯をお供えする荘厳具、供養具であります。

火立てには、鶴と亀のデザインの「鶴亀火立」を使います。

浄土真宗が鶴亀を用いる理由は、延命長寿の象徴であること以外にも諸説あります。

遠くを見渡すことはできても海では足元が覚束ない鶴と、しっかり海を越えることはできても遠くを見渡せずに方向を見失ってしまう亀の、両者が協力すれば海を渡ることができるような共なる世界が仏界である、ということなどです。

火立は、現代では火の取り扱いを考え、ろうの流れないセーフティキャンドルや電池式のLEDろうそくも普及しています。火の放つ光は、仏壇や部屋(現世の闇世)を明るく照らしてくれる仏様の智慧であり、光明は人々の欲や煩悩を払い、迷いの闇から真実へと向かわせてくれると考えられています。

また、熱も仏様の慈悲をあらわし、その温もりが閉ざされた心を解きほぐしてくれるとされています。

香炉とは、お香やお線香を焚く器です。香を焚くことで、香りで部屋全体を清め、供養する者の穢れも浄めます。選ぶものにより彩りや華やかさ、高級感や艶といった、こだわりが大きくお仏壇の印象を変えます。

浄土真宗大谷派の宗紋である「抱き牡丹」が描いてある透かしの土香炉は理想的ですが、宗紋入りの香炉以外にも、色付きの玉香炉も使うことができます。

おりん・線香差し・マッチ消し

さらに、おりん、線香差し、マッチ消しなどを置きます。おりんは、「かね」「きん」とも呼ばれます。

おりん

【おりんの例】

鳴らすと音色がとても響く器で、仏壇の手前に置く経机まで用意する場合には、右端へ置きます。選ぶときに夫婦で好みのものも購入するとよいです。
おりんを置く台の形は四角で、下に雲輪を用意します。

浄土真宗大谷派以外の宗派ではしばしば、邪気を払い、周囲を澄み渡らせると考えられ、遠い極楽浄土にいらっしゃる仏様やご先祖様に気づいていただくという意味があるために、お参りのごとに鳴らします。

しかし浄土真宗では日常、鳴らすことはありません。浄土真宗では仏様やご先祖様は「いつでもこちらを見ていてくださる」のという考えをするため、かえって日常的に鳴らすことは無礼であるとされ、読経の初めや終わりにのみ合図として使います。いずれにしても、心を込めて、丁寧な所作で鳴らします。

線香差しとは線香立てのことです。箱から直接取ると折れやすく、全部の線香が湿気を帯びるのが早くなったり、カビが発生したり、不快な匂いになってしまうこともあるため、それらをできるだけ防ぐために使います。

線香は立てず、土香炉の大きさにあわせて折り、火の着いたほうを左にして灰のうえに横に寝かせて使います。10本前後の少量を入れておき、使う量だけをその都度、補充していきます。

線香を手に取り、火をつけ、手であおいで火を消し、お供えしますが、その際ろうそくに灯すためのマッチに付けた火も、口で吹き消してはいけません。

これは、人間の口が悪口を言ったり、物を食べたりと、穢れやすいものとされているため、その口から出るものは不浄であると考えられているためです。そうして消火したあと、マッチ消しに入れます。あまり優先順位が高くない仏具でもありますが、神聖な火を灯したものを入れる大切な仏具です。
自分の身を清めることや仏様のお食事といったことに加え、心を落ち着けて仏様と向き合う過程に、丁寧な線香の所作が存在するのです。

打敷

打敷とは、仏壇の段や上卓に掛けるものです。浄土真宗では三角形のものです。昔、お釈迦様の説法はいつも外で行われており、そのときお釈迦様は石の上に座ったり、地面に座ったりしていたので、見かねた弟子達はお釈迦様が座る場所に布を敷いたり、花を飾ったりした名残が打敷とされています。

普段は掛けなくてもよく、年忌法要や報恩講のお寺様に来ていただくときや、お盆、お彼岸、お正月といった仏教行事には掛けるようにします。夏用のものは薄手で白っぽく、冬用のものは厚手で金、朱、紫色などで織られています。

また、浄土真宗にとって最も大事な報恩講の時は、打敷の下にさらに下掛け(水引)を掛けます。

仏飯器

仏飯器は、毎朝炊いたご飯を一番に盛り付け、お供えする金色の器です。3つ、お供えすることができますが、ミニ仏壇の場合は場所の確保が難しいので、中央の如来様の前に1つ置くとよいでしょう。

ハスの実の円柱形を思い浮かべながら盛り付けますが、この形はしゃもじで調えることが難しいので、盛糟という道具を使うことが一般です。

その後、お下がりとしてそのご飯をいただきます。そのため、よそうまえに器に水を付けておくと、後でいただいたり、片付けをしたりするときに楽です。 夏場は衛生的な面より昼までには下げます。パンや麺を阿弥陀様にお供えすることも出来ますが、その場合には一口サイズにしてお供えするのが作法です。毎朝のことなので、感謝の気持ちを込めながらも、ご自身が快く続けられる方法をうまく見つけて行いましょう。

 

関連記事

仏壇の中の仏像について ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/02/16/1958/


浄土真宗(真宗大谷派)の仏具 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/91/


名古屋市における浄土真宗のお仏壇のご供養処分について ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/51/


仏壇の仏具の並べ方を宗派の違い別に紹介(浄土真宗など) ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/47/


位牌は管理し続ける必要はない?浄土真宗における位牌の在り方 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/12/02/1879/

 

 

位牌・遺影・仏壇などの魂・お性根抜き供養~整理処分をするなら → https://gokuyo.com/