近年、日本は核家族化が進んだことで、子供が地方にいる親と離れ都心に住むなど、家族が一緒に暮らすということが無くなっています。
さらに、地方の人が都心に集まってきていることで、菩提寺を持っていない人がたくさんいます。
そこで切実な問題になっているのが葬儀や法要であり、お坊さんの手配をどうするのかということです。そんな人達のために提供されているサービスが「僧侶派遣サービス」です。
今回は「お坊さんの派遣って評判はどう?僧侶派遣サービスについて」について紹介してみたいと思います。
お坊さん派遣サービスの評判は?どんな世界?
お坊さん派遣サービスはその名の通り、葬儀や四十九日の法要などの時に僧侶を派遣してもらえるサービスのことです。通常なら葬儀などの法事や法要を行う時は、先祖代々の墓のある菩薩寺のお坊さんに依頼します。
しかし、現在では多くの人が実家の菩提寺から遠く離れて住んでいたり、菩提寺が持てないことで自治体が管理する霊園や納骨堂にお骨を納めたりしているのが実態です。そういう人達でも法要を営むことができるのがお坊さん派遣サービスです。
当然、派遣されてくるお坊さんは僧籍のある僧侶であり、修行中の人が来ることはありません。お坊さんには自宅や霊園など、利用者が指定した場所へ来てもらうことができます。
ただし、注意しなければいけない点は、お寺内にあるお墓や納骨堂には呼ぶことはできません。また、お坊さん派遣サービスは基本的に菩提寺を利用できない、持っていない人に対するサービスです。
菩提寺で対応してもらえるのにお坊さん派遣サービスを利用すると、菩提寺から納骨を拒否されるケースがあるため避けた方が賢明でしょう。
なお、お坊さんの派遣を依頼したからといって、「そのお寺の檀家にならなければならない」とういう制約は一切ありません。
1回の法要・法事ごとのお付き合いになります。正直、檀家になると、定期的な法要や寺の修繕費など、出費を余儀なくされることがあります。
受けられるサービスの内容は?
提供されているサービスは業者によって若干異なりますが、代表的なものとしては以下などがあります。
- 通夜・葬儀・法要での読経
- 供養
- 戒名の授与
通夜・葬儀・法要での読経
葬儀や初七日、四十九日。三回忌などの年忌法要などの時に読経してもらうことができます。初盆や彼岸法要、墓前法要に対応している業者もあります。
供養
お墓や仏壇・位碑などの魂入れ(開眼供養)・魂抜き(閉眼供養) を依頼できます。また、水子供養や納骨供養なども可能です。
戒名の授与
戒名の授与も行っており、ほとんどの宗派に対応しています。なお、一般的な葬儀だけではなく、最近増えている直葬や家族葬にも対応してもらえます。
お坊さん派遣サービスのメリット
お坊さん派遣サービスのメリットは、費用が明瞭なため、金銭面でストレスを受けることが無いということです。
従来の葬儀や法要は費用の負担に曖昧な面があり、それがプレッシャーになっていた面は否めません。
また、お坊さん派遣サービスを利用すれば、葬儀会社からお坊さんの手配をしてもらうことが不要になりますので、仲介料がかからずに、費用を安く抑えられます。
メリットを一覧にすると
- 費用が明瞭で、格安になる。
- 菩薩寺がなくても法要ができる。
- 特定のお寺の檀家になる必要がない。
- 日程は利用者の都合に合わせてもらえる。
- 浄土真宗や臨済宗、真言宗、曹洞宗、日蓮宗。浄土宗、天台宗など、全ての宗派に対応している。
などが挙げられます。
お坊さん派遣サービスの利用の流れ
例えば、四十九日の法要をするとした場合、以下の流れになります。
電話で申し込み
ネットを利用して公式サイトからでも申込はできますが、初めてのケースが多いと思われるので、電話の方が色々なことを教えてもらえて便利です。
電話の申込受付は10:00~18:00が一般的です。なお、申込んだ後でも、聞きたいことがあれば電話すると、細かいことまで丁寧に説明してもらえます。
申込時に以下のことを聞かれます。
- 菩提寺の有無
- 実家の宗派(不明でも可)
- 故人の名前と故人との関係
- お墓の場所
- 故人の生年月日、死亡日、戒名の有無
手配報告書が送付されて来ます。
お坊さん派遣サービスを申込んでから数日すると、手配報告書やお布施袋などが送られてきます。
なお、お坊さんの派遣という依頼内容に業者も気を遣ってか、書類の入っている封筒の表面には何の記載もなく、裏面に業者の社印が押されているシンプルな封筒になっていることが多いです。
手配報告書には以下のことなどが記載されています。
- 日程:法要を行う日時
- プラン:法要の種類(四十九日法要)
- サービス内容:料金内訳や法要で行われること(支払いは現金でお坊さんに手渡しするよう記載されています)
- 戒名授与:戒名の授与の有無
- 依頼人:利用者の名前
- 故人:故人の名前、生年月日、没年月日
- 場所:○△霊園
- 住所:霊園の住所
- 宗派:○△宗
- 所属寺院名・布教所:派遣僧侶の所属寺院
- お坊さんの携帯電話:連絡用電話番号
なお、派遣されてくるお坊さんからも確認の電話が入ります。
お坊さんと直接打合せができるため安心感が増します。また、お坊さんから四十九日法要の意味や進め方、その後の法要のことなど、色々教えてもらうこともできます。
感覚は菩提寺の住職と何ら変わりがありません。
当日法要を実施
お坊さんの会場に着いたら法要を始めてもらいます。読経が終わったら最後に、お坊さんにお布施を渡します。
料金内容
お坊さん派遣サービスの料金は葬儀の形態で異なりますが、1日葬儀のケースで10万円程度、2日間葬儀のケースで15万円程度になっています。
2日間の葬儀の場合だと、通夜・告別式・式中初七日・炉前での読経を行ってくれます。なお、料金の中にはお車代やご膳料、戒名など全ての費用が含まれており、戒名を付けない場合は2万円程度が料金から引かれます。
四十九日などの法要におけるお布施の料金の場合は、読経で35,000~45,000円が一般的な相場です。
ほとんどの業者において、心付けや御膳料などが読経の料金に最初から含まれています。なにより、お布施における「金額はお気持ち」という曖昧さが無いため、費用面でのストレスを受けずに依頼できます。
なお、一部の業者ではお車代や宗派指定料を別途料金にしている場合があります。
たとえば、法要の場所が分かれていて、同日にお坊さんに移動を依頼する場合は、料金が上乗せされることがあります。
宗派にもよりますが、戒名に関しては、居士・大姉・信士・信女などの位号によって料金が変わるため、お坊さん派遣サービスでも一律の料金というわけにはいきません。
それでも、一般のお寺にお願いするよりは格段に安くなっており、一般的な戒名であれば、2万円程度で授与してもらえます。
お坊さん派遣サービス業者の選択
お坊さん派遣サービス業者を選ぶ時の重要なポイントは以下の2点です。
- 料金内容が明確である
- 電話による事前の確認が可能であるか
順番にみていきます。
料金内容が明確である
お坊さん派遣サービスは全ての料金が明確に提示されています。
最も最悪なパターンは最安値を掲げておいて、そこから「宗派指定」、「その他費用」や「別途実費」など、あとあと上乗せしてくる業者もありますから注意が必要です。そのような金額の把握ができない業者は避けた方が賢明です。
電話による事前の確認が可能であるか?
不安なことや分からないことを、事前にしっかりと案内してもらえる業者が安心できる業者です。また、法要の内容などでお坊さんと確認したいことが出てくるため、事前にお坊さんと連絡できる業者を選択しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は「お坊さんの派遣って評判はどう?お坊さん派遣サービスについて」まとめてみました。
菩提寺(お付き合いのあるお寺)がない人や、菩提寺がわからないけど法要をお願いしたい場合などに大変便利なサービスとなっています。サービスを提供している会社によって、料金の区分けが異なる場合がありますので、特に追加料金などが必要無く、価格設定が明確なところでお願いするのが望ましいです。
パッと見は安くても、実は宗派の指定や、交通費が含まれていない等よくある話です。しっかりと確認した上でお願いするようにしてください。
関連リンク
お坊さんの派遣って評判はどう?僧侶派遣サービスについて ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/85/
お坊さんを呼んで、魂抜き供養をお願いする流れ ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/71/
仏壇処分の為にお坊さんを紹介した時の話 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/09/15/1640/
お寺に永代供養をお願いしていて、魂抜きを断られた時の対処方法 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/03/19/732/
仏壇の処分をお寺にお願いするのが頼みづらい場合の対処方法 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/07/28/1177/