仏壇にある複数の位牌をまとめる方法

位牌も今では様々な種類があります。家庭でも先祖代々の位牌を大切に保管しているところも多いと思いますが、基本一人に対してひとつの位牌があることからも代々続いていくとその数はとても多くなってしまいます。

大きな仏壇がある家庭では問題ないのかもしれませんが、現代ではそういった家庭も少なくなり、仏壇をコンパクトタイプのミニサイズに買い換える家も増加しています。

しかし、たくさん位牌があるから仏壇を小さくできないと思ってしまいがちですが、安心してください。

それぞれの位牌を回出位牌(くりだしいはい)という位牌に取り換えればよいです。今回は仏壇にある複数の位牌をまとめる方法を、東海地方に多い浄土真宗を例に紹介してみます。

位牌をまとめる方法とは?回出位牌について

多くなってしまった位牌をひとつにまとめる方法として。回出位牌というものがあります。回出位牌は、ひとつの位牌に、複数の戒名を書き、木板に納めるタイプとなっています。

その仕組みとは、台座の中に戒名や享年等を記載した札板を複数入れられるようになっており、この仕組みによって位牌をひとつにまとめられるようになっています。

【回出位牌:扉を閉じた状態】

【回出位牌:扉を開けた状態】

【回出位牌:中の札板を取り出した状態】

宗派ごとに異なる繰り出し位牌について

それでは東海地方に最も多い、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派を例に説明をしていきたいと思います。

浄土真宗(本願寺派)

浄土真宗(本願寺派)の場合は、実は原則として位牌を用いることはありません。

浄土真宗以外の宗派の場合は、追善供養(ついぜんくよう)といった概念があるため、塔婆などを建てることによって追善供養すると考えられており、位牌も同じような解釈として使われています。

本願寺派の場合、亡くなった人はすでに浄土に往生しているとされているため、故人に対して成仏を祈って供養するという概念が実はないのです。

そのため、位牌を用いた追善供養は行われないとされています。しかし、昔からの流行で本願寺派の家でも位牌がまつられている場合が多いです。

それでは、そのような場合どうしたら良いのかという疑問がでてきますが、法名軸といったもので法名を記載することが基本となっています。

この法名軸は仏壇の内側の両側面に掛けるようになっていますが法名軸を掛けることができない小型の仏壇の場合は過去帳で代用します。

そのため、コンパクトタイプのミニサイズ仏壇に買い替えた場合などは、過去帳に記載をします。

過去帳の見本

【過去帳の見本】

過去帳の見本(開いた様子)

【先祖代々を過去帳に記します】

浄土真宗(真宗大谷派)

浄土真宗(真宗大谷派)の場合も位牌を用いることがない宗派だったのです。(ほとんどの家に位牌はあると思いますが)

浄土真宗(本願寺派)も位牌を用いることなく法名軸にて法名を住職に記してもらうという方法ですが、(真宗大谷派)も同じく法名軸を用いて仏壇に掛けるといった手法となっています。

そのため、(真宗大谷派)の場合も、法名軸を用います。法名軸に記せない場合は過去帳を用いるため同じような扱い方となっています。

もちろん、位牌がある家庭もあるので、そのような場合はお坊さんにまとめてもらい過去帳に記してもらいましょう。

その他宗派の場合

最後になりますが、浄土宗や曹洞宗や日蓮宗など、多くの宗派では位牌を用いて仏壇に祀っています。

あなたの家の仏壇が浄土真宗以外でしたら、お寺に相談して回出位牌に取り換えてもらいましょう。位牌に入っている魂を抜き、新しい回出位牌に入れるという法要を行ってもらいます。

まとめ

いかがだったでしょうか?浄土真宗以外の宗派でももちろん回出位牌は利用されています。お付き合いしているお寺に相談してみましょう。

回出位牌や過去帳に取り換えた場合、もともとの位牌は、お寺にお焚き上げしてもらいましょう。

お寺によってはお焚き上げができないと言われてしまうかもしれません。

断られた場合には、位牌のお焚き上げを行っているご供養整理業者もありますので相談してみてください。

 

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