永代供養の意味とは?【お寺の宗派別に方法を紹介】

墓じまいをしたり、お墓をもともと所持していない場合など、亡くなった故人のお遺骨は、永代供養をお願いする事になるのが一般的ですが、永代供養する際にはお寺の宗派によってその方法が異なります。そのため永代供養してもらおうとしてもなかなか話を進めることができずに悩んでいる人も多いでしょう。そこで宗派別に永代供養するための方法を簡単にまとめてみました。

(一般的な方法をご紹介しているので寺院や地域によっては異なることがあるので、詳しくは永代供養をして貰う予定の寺院に相談することをおすすめします。)

永代供養の意味とは?

永代供養とは、お墓を持っていなかったり、お墓参りなどに誰も行くことができない場合などに、お寺や霊園が供養や管理をお願いする埋葬方法のことです。

永代と呼ばれますが、「永久に」というわけではありません。安置期間には期限が設けられているはずです。 一般的には、33回忌までを期限とするところが多いようです。

永代供養とお位牌の関係

永代供養に関して位牌が必要という決まりはありません。永代供養の手続きを取っても故人をそばに置いておくために位牌を家に残しているという人もいますし、後世のためにお位牌も一緒に引き取ってもらうという場合もあります。

お位牌はお焚き上げで供養するのが基本で、他にもお経を唱えて供養することもありますが、その寺院によって方法は変わります。

浄土真宗

日本国内で信仰者が多い宗派である浄土真宗ですが、浄土真宗にはお位牌を用いることがありません。(実際には用いている家がほとんどですが)

浄土真宗の教えでは故人は絶命した時点でこの世を離れ、仏になられるという考えなので、位牌に魂を宿す必要は無いというのが理由です。そのため、浄土真宗では法名軸という掛け軸や過去帳という帳面に法名を記す方法をとります。

浄土真宗はこのような考え方をする宗派ですので、故人の魂を永久に供養し続けるという「永代供養」という概念もありません。

しかし浄土真宗には「永代経法要」というものがあり、永代供養に字面が似ていることから浄土真宗でも永代供養を行っていると勘違いされがちです。

永代経法要は浄土真宗特有のもので、供養のために行うのではなく、浄土真宗の教えを後世に伝えるためにお経を読むことを指します。

永代経法要では住職とともにお経を読むのですが、これも故人の魂に向けてではなく仏様に向けて唱えているという大きな違いがあります。

そのため一般的に知られている「永代供養」と同じものと考えて永代経法要を申し込んでも意味がありません。これは西本願寺でも真宗大谷派でも変わらないことです。

ですが、浄土真宗であるからといって永代供養が絶対にできないというわけではなく、方法はいくつかあります。

菩提寺を利用する

浄土真宗の菩提寺ではお墓が無縁墓にならないように、「永代供養墓」として引受を行っています。
先程説明した通り浄土真宗では永代供養がありませんが、利用する人にわかりやすくするために「永代供養」と言って募集しています。

そのため、菩提寺で相談するときは「永代供養してほしい」というよりも「墓じまいをしたい」と言ったほうが話を早く進めることができるでしょう。

菩提寺が利用できない場合は浄土真宗のお寺で永代供養墓を取り扱っている場所を探しましょう。最近ではネットで調べる事もできますし、電話での問い合わせにも対応してくれてます。

本山納骨

古くから浄土真宗の家系であったり、故人が浄土真宗を深く信仰していた場合、浄土真宗におまつりしたいと考えることでしょう。

そんなときは浄土真宗の本山に納骨することをおすすめします。本山は西本願寺と真宗大谷派(東本願寺)で納骨方法が違うので利用する際はあなたの宗派がどちらなのか調べておきましょう。

共有永代供養墓を探す

最近では宗教に問わず永代供養を行っている寺院や霊園が増えています。特に民間の永代供養墓ではお参りもしやすくわかりやすいシステムなので若い人にも利用しやすくなっています。こちらもネットで簡単に調べることができるので一番やりやすい方法ではないでしょうか。

宗派の違いは?実家がお付き合いしているお寺の宗派とは?(浄土真宗本願寺派編)

宗派の違いは?実家がお付き合いしているお寺の宗派とは?(浄土真宗真宗大谷派編)

本願寺派と真宗大谷派(東本願寺)の違いは

本願寺派の場合

本願寺派の本山は「大谷本廟」と呼ばれ、本願寺派の信徒が利用する納骨所です。納骨所には3種類あるのですが、一般的には「祖壇納骨」が選ばれます。納骨の際にはお布施が必要となり、一部納骨・全納骨・永代経などを選択して料金が決まります。

大谷本廟の公式HPはこちら ⇒ https://otani-hombyo.hongwanji.or.jp/

真宗大谷派の場合

真宗大谷派の総本山は東本願寺で「大谷祖廟」と呼ばれています。大谷祖廟では西本願寺のように種類はなく、納骨もスムーズです。またお布施の金額は2万円以上と決まっており、金額によって内容も変わります。

大谷祖廟のHPはこちら ⇒ http://www.higashihonganji.or.jp/worship/otani/

浄土宗

浄土宗では寺院での永代供養を行っています。浄土宗の寺院で永代供養を行う場合は浄土宗の檀那であることが条件となります。

檀那とはいわゆる檀家のことです。現在では、寺院によっては檀那にならずとも引き受けてくれるということもあるのでまずは相談してみましょう。

浄土宗の永代供養では分骨して納骨することが可能であることや、浄土真宗と違って永代供養ができるということが大きな違いとなっています。

真言宗

真言宗も積極的に永代供養を行っている宗派で、相談すればさまざまな方法を紹介してくれるでしょう。

他の宗派に比べても永代供養の種類が多いので、利用者のニーズによって決めることができるというのがメリットです。

他人と同じ場所に納骨して供養するものや個別に管理してもらうものなどもあり、故人の意見も尊重できます。それぞれに値段が決められているので値段も明瞭になっています。

 

曹洞宗

曹洞宗も真言宗などと同じく永代供養を行っており、選択肢に幅があるのがメリットです。曹洞宗のお寺では意味永代供養に慣れているというのも嬉しいところです。

永代供養の方法も合祀と呼ばれる共同墓の永代供養、個別に墓を建てる単独墓での供養、集団納骨堂に収める永代供養などが一般的な方法です。

値段も場所や方法によって上下しますが、一般的と言われるのは合祀型の永代供養となります。

 

天台宗

天台宗のお寺も宗派不問で永代供養を行っていることが多くなっていますので、永代供養専門の施設を作っているという寺院もあります。

基本的には合同墓と呼ばれる納骨堂があり、そこでまとめて納骨をされてお経を上げられるという永代供養を行っています。

納骨堂には霊碑があり、そこに戒名を記載することも可能です。お墓が一切必要ないという人にも嬉しい方法です。

 

日蓮宗

日蓮宗の永代供養は檀家になっている寺院に依頼する方法と、宗派不問の寺院や霊園に依頼する方法があります。檀家になっている寺院で永代供養してもらうのが理想的ですが、断られてしまったり、その寺院が遠い場所にあったりする場合は宗派不問で日蓮宗の供養を行っている寺院で永代供養してもらいましょう。

 

臨済宗

臨済宗の場合、一般的には宗派不問の寺院で永代供養することになっています。臨済宗の寺院で行っている場合もありますので一度問い合わせてみてもいいでしょう。しかし、基本的には断られるケースが多いので、とくにこだわりが無い限りは合祀墓などに納骨することをおすすめします。

まとめ

お寺の宗派別に永代供養をお願いする方法と永代供養の意味を紹介させてもらいました。宗派自体も分からずどうしらよいのか分からない人もいると思います。

お墓があるのならそれでよいですが、あなたや故人に希望やこだわりがなければ、永代供養をお願いするお寺はどこでも大丈夫です。最近では永代供養の納骨手続きもまとめてお願いできる業者もありますし、そういう業者を利用するのもひとつの方法です。

最後になりましたが、親族や家族と、後でトラブルにならないように、充分な話し合いをして、みなさん了承の上で進めることがもっとも大切だと思います。

 

 

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