僧侶にとっての聖典である経本や先祖の写真などの処分法
自宅に仏壇がある家庭では、経本や先祖の写真というものが必ずあると思います。もちろん、自宅にいながらご先祖様をお祀りする事は、昔の家庭などでは割と当たり前のことだったかもしれないでしょう。
しかし、面倒を見れなくなったなどの理由で仏壇を処分するといったことも多くなりました。そういったときに仏壇の中にある経本の処分の方法などはどうしたらいいのでしょう。気持ちの問題といえばそこまでなのですが、世の中の人が行っている基本的な方法を紹介してみたいと思います。
経本はどのように処分するべきか
僧侶の聖典とも言われている経本でありますが一般的な書籍として扱っていいのか?ということに大きな疑問があるでしょう。経本にはお釈迦さまが生前におっしゃっていた教えをお弟子さんたちが書物にまとめたものです。
聖典といわれるものでもあるから、特別な方法で処理したほうがいいのか、遺影や写真といったものと同じように処理したほうがいいのかと考える人もいるでしょう。
実際にはどのように扱えばいいのかというと、「正しい方法や決まった方法というものはない」というのが正解です。
仏壇の経本や遺影などの扱い方は、寺院や宗派によって変わるものです。
しかし基本的な処分の方法としては3つあります。
- 寺院のお坊さんに引き取ってもらう
- 自分自身で廃棄処分をする
- 焚き上げをする
寺院のお坊さんに引き取ってもらう
お寺関係の書物なわけですからお坊さんに引き取ってもらうという方法があります。仏壇関係のもので、処分方法がわからないものなどは一度お坊さんに相談をしてみて、引き取ってもらえるようであればお坊さんにお願いしてみましょう。
お坊さんに引き取ってもらった経本などは焚き上げなどをしてもらいしっかりと処分をしてくれるケースがほとんどです。
自分自身で廃棄処分をする
自分自身で処分をするという方法も可能です。経本に対して、そこまで重要感を持っていない人であれば経本であっても一般の紙類といった区分で処分をしても大丈夫です。
宗教的なことに特にこだわりがない人などはこのような手段で処分しても全く問題はありません。いわばお寺が出版した書籍という考え方もできます。
地域のゴミ回収の日に合わせて処分といった方法で大丈夫ですが、経本といった性質上、紙に包むなどをして中身がわからないようにして処分するほうが気分的には良いのかもしれませんね。
焚き上げをする
きちんとした処分方法としてはお焚き上げをして処分するという方法です。様々なお寺などで定期的にお焚き上げなども行っていることが多いので、自分自身で持ち込んで処分もできます。自分自身で持ち込むため時間やお金といったものも負担になってしまいますが、きちんとした処分方法で処分をしたいという方はこちらの方法で処分をすることをおすすめします。
先祖の写真や遺影の処分方法
仏壇を処分するに当たって先祖の写真や遺影といったものの処分方法も悩みとして挙がることでしょう。
家系的に先祖代々の遺影などを大事に保管している家も多くありますが、そういったものを処分しようと考えていても何枚もの顔写真の処分は、普通に処分するのも気乗りしないことが多いでしょう。
先祖の写真や遺影といった写真を処分する方法として、魂抜き、お性根抜き、閉眼供養といった手順を踏んでからお焚き上げを行うのが一般的です。
この魂抜き、お性根抜き、閉眼供養といったものは、先祖の写真に魂が宿ったまま処分をしてしまわないようにと行われることであり、遺影や写真に宿っている魂を抜くことによりただの写真といたものに戻します。
1:魂抜き、お性根抜き、閉眼供養
それでは実際に魂抜き、お性根抜き、閉眼供養といった方法を行う場合どうすればいいかというと寺院のお坊さんに依頼をして読経を行います。
依頼するにあたっての費用や日程調整というものは必要になってはしまいますがただ処分をするだけでないのでしっかりとした手順で処分をしたい場合はお坊さんに依頼をしてみましょう。
現代は寺院との関係もあまりない家庭も増えてきているため、魂抜きの依頼などを頼めるお坊さんがいないといった方も多いかもしれませんが郵送で魂抜きを行ってくれる専門業者というものも存在しているのでそういった業者にお願いをするという方法もあります。
2:先祖の写真、遺影のお焚き上げ
次は、魂抜き、お性根抜きを行った写真を処分する方法です。
魂抜き、お性根抜きを行ったことにより、写真や遺影に宿っていた魂が抜けるため写真そのものは普通の写真と変わらないものとなっております。
そのため、普通に写真を処分したりするようにゴミを処分する方法として処分をしても一切問題はありません。
もちろん、そのまま捨てる場合は先祖などの顔写真をそのまま捨てるというわけにもなかなかいかないと思いますので見えないように包んで捨てるようにしましょう。
ゴミと一緒に処分するのに抵抗がある方はお焚き上げという方法もあります。お焚き上げで処分する方法は、経本の処分方法と一緒であり、魂抜きをしてる写真、遺影であれば寺院で定期的に行われているお焚き上げで処分をしてもらうことができます。
こちらも近くでお焚き上げで処分してもらえる寺院がない場合や日程を合わせることができないといった場合は「供養じまい専門業者」というものが存在しますので、そういった業者に依頼することで魂抜きからお焚き上げまで行ってもらえます。専門業者にお願いすれば、仏壇と一緒に経本や、後述する遺影などもまとめてお任せすることができます。
まとめ
このように経本や写真や遺影といった処分方法がわからないものの処分方法は複数あり、どの方法が一番適切かというのは明確には決まっておりません。
自分自身の宗教観も含め、納得のいく形で処分方法を決めていきましょう。もちろん、家族や親族ともしっかり話し合い、納得のいく形で処分を進めていきましょう。
関連記事
仏壇処分の後に供養を続ける方法:(厨子というミニ仏壇の用い方) ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/03/02/673/
神棚、しめ縄の処分方法について ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/55/
経本や遺影の処分方法 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/57/
葬儀のあとは遺影をどうしたらよいのか?処分しても大丈夫? ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/10/08/2099/
位牌・遺影・仏壇などの魂・お性根抜き供養~整理処分をするなら ⇒ https://gokuyo.com/