引っ越しの為に浄土真宗の仏壇を買い替える方法
名古屋市をはじめとする東海エリアに門徒の多い、浄土真宗の仏壇は大きなサイズの物が多いですよね。家によっては高さが2メートルを超える仏壇が置いてあったりします。
引っ越しをする際に、そんな実家の大きな仏壇を置く場所が無いなどという場合は、仏間が無くても置けるミニサイズの仏壇に買い換えるという方法があります。もしも新居に大きな仏壇が置けるスペースがあっても、仏壇は美術品の為、運送業者では断られてしまいます。
【浄土真宗の仏壇は豪華で大きなサイズ】
仏壇を処分したり買い換えたりするにはどうしたらよいのかわからないものです。
今まで置いてあった仏壇の阿弥陀如来様に移動していただくという意味で、遷座法要(他宗派では魂抜きや閉眼供養)という法要があります。この法要はお坊さんにお願いし、転居先の新しい仏壇では入仏式(御移徒法要)を行います。そうして他の宗派でいうところの、魂入れの儀式をお願いする事になります。
今回は、そんな浄土真宗の仏壇を例に、引っ越しをする場合の対処方法や仏壇の買い換えについて紹介します。
どんな仏壇に買い換えれば良いの?
仏壇には床置き(下台付き)の物と棚置き(上置き)の物の一般的には2種類があり、転居先の間取りやスペースの都合に合わせて選びましょう。今回はミニサイズのお仏壇に買い換えるという前提で話を進めていきますが、その場合は棚置きの物の方が仏壇を置くスペースに融通が利きます。
たとえば、浄土真宗の仏壇は、金仏壇がメジャーなイメージがありますよね?実はモダン仏壇でも唐木仏壇でもデザインは何でも構いません。しかし、金仏壇を選ぶ場合は、「東用」「西用」という種類の違いもあるため、注意しましょう。
古い仏壇を買い換える時は遷座法要をお願いする
お仏壇には阿弥陀如来様に感謝の気持ちとお礼を述べる意味で遷座法要を行います。また、新しい仏壇を買ったからと言ってそれで終わりという訳ではありません。仏壇を購入した時は必ずお寺のお坊さんにお願いをして、古い仏壇から新しいお仏壇へと移っていただく意味で法要を行います。
【遷座法要の様子】
古い仏壇は仏壇店に引き取ってもらえる
近頃は消防法や環境問題の関係からお焚き上あげ(焼却)をしてくれる寺院も少なくなってきていますが、仏壇を購入したお店で古い物を引き取ってもらえるお店もあります。仏壇店に引き取りをお願いする場合、処分費用が必要になる場合があります。新しいお仏壇を購入する際に併せて金額などの相談をしておくのが良いでしょう。
お店によってはお仏壇を購入すると引き取り料が無料になるところもあるため、そういった部分を参考にお仏壇店選びをしてみるのも良いかもしれませんね。
引っ越し後は入仏式をしてもらう
新しいお仏壇は、そのままだと阿弥陀如来様に入っていただく前ですので、今度は入仏式(御移徒法要)をお願いしましょう。やる事は遷座法要(魂抜き)と同じようにお坊さんにお願いすることになります。引っ越し後はしばらくバタバタと忙しい日が続くと思いますので、ある程度落ち着いてから構いませんので、お坊さんにお願いしましょう。
法要の時には、おりんなどの仏具が必要になってきますので、仏具一式を買い換える場合も魂入れの時までにはきっちり揃えておきたいところです。
仏壇を買い換える時の流れ
仏壇を買い換えに必要な手順を、①~⑤の項目に分けて並べてみました。
手順毎に大切な要点についても一緒にまとめていますので、お仏壇の買い換えを検討されている方は是非参考にしてみて下さい。
買い替え手順
- 仏壇店で購入する仏壇を探す
- 古い仏壇の引き取り日などを決める
- 遷座法要をしてもらう
- 古い仏壇の引き取りまたはお焚き上げ
- 新しい仏壇の入仏式
順番にみていきましょう。
①仏壇店で購入する仏壇を探す
東用・西用や、浄土真宗以外でも宗派別の仏具類など、仏壇は素人目では判断しにくい部分もあるので、分からない時は店員さんに教えてもらいましょう。
②古い仏壇の引き取り日などを決める
古い仏壇は遷座法要(魂抜き)を行う必要があるため、お寺さんの都合などに合わせて仏壇店に引き取ってもらうスケジュールを調整しておきましょう。
③法要をしてもらう
通常の法要と同じく、法要をしてもらう日を事前に相談しておきます。儀式当日も法要の時と同じように、お供え用のお花やロウソク・お線香や数珠などの用意が必要です。お布施の用意も準備しておきましょう。
④古い仏壇の引き取りまたはお焚上げ
仏壇を引き取ってもらう時は、今までお祀りしていた仏壇の掃除をしておくのがマナーです。仏像や位牌・御札や御守りといった物は引き取ってもらえないので、お仏壇の引き出しなどに入れ忘れていないかしっかりと確認しておきましょう。
⑤新しい仏壇の入仏式
遷座法要(魂抜き)をしてもらったお坊さんとスケジュールが合わない場合や、引っ越し先が遠方の場合は、別のお坊さんに入仏式の儀式をしてもらっても全く問題ありません。もちろんお付き合いのあったお寺にお願いする方が良いでしょうが、遠方なら仕方がないことです。
仏壇を買い換える時の注意点
①置ける仏具が限られる
大きい仏壇であれば色々な仏具を揃えて置くこともできますが、ミニサイズの仏壇では仏具を置くスペースがかなり小さい物もあるため注意が必要です。その場合は、仏壇の外に置いても良いのですが、どうしても必要と言うのでなければ、置いておく仏具を必要最低限の物だけにするのも良いでしょう。最近は昔のように11具足を揃えるケースも少なくなってきていますし、とりあえず三具足(花立・香炉・火立)だけ揃えておくだけでも問題ありません。
②古い仏壇の引き取りができない場合もある
仏壇店によっては古い仏壇を引き取ってもらえないところもあるので注意が必要です。その場合は、仏壇を粗大ゴミとして出して良いか、お住まいの自治体(名古屋市なら粗大ごみ受付センター)に問い合わせをしましょう。問題無いようなら遷仏法要(魂抜き)の儀式を行った後に、自治体の粗大ゴミ回収ルールに従って古い仏壇を粗大ゴミとして処分すれば構いません。
仏壇整理・回収業者に処分をお願いするという方法もあります。自分で出したくない。近所に知られたくない場合等にはお勧めです。
③仏像や位牌などは引き取ってもらえない
古い仏壇を回収してもらったとしても、そこにお祀りしていた仏像・位牌・掛軸・写真といったものを一緒に引き取ってもらう事はできません。これらは仏壇の遷座法要(魂抜き)をしてもらった際に、お坊さんにお願いして引き取ってもらえるか相談してみましょう。お焚き上げしてもらえるかもしれません。対応してもらえない場合などは仏壇供養整理業者へ郵送でお焚き上げをお願いする方法もあります。
④法要は実施日には余裕をもって
引っ越し当日にそういった儀式・法要を行う余裕はありませんよね?この法要は今までお世話になった仏壇に感謝とお別れをするための大切な時間でもあります。遷座法要(魂抜き)は出ていく1週間前くらいに、入仏式は引っ越しの荷物が片付いてから、気持ちや時間の余裕があるタイミングで行うのが良いでしょう。新しく住まいが変わったからといって無理に急ぐ必要はありません。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は引っ越しをする場合の対処方法や仏壇の買い換えについてまとめました。基本的な流れはどの宗派でも変わりませんので、宗派に関係なく買い換え時の参考にしてください。お仏壇は代々大切にしてきたものですから、古いお仏壇にもしっかりと感謝をして送り出しましょう。
また、引っ越しを機会に新しい新居には仏壇を用意せずに仏壇じまいする人も増えています。私も形がなくても先祖への気持ちは変わりませんし、形式にこだわり続ける必要もないのでは?と考えます。昔から大切にされてきた訳ですし、変化には勇気が必要なのかもしれませんが、これを機会に家族の方と話し合ってみてはいかがでしょうか?
関連リンク
老人ホームなどの介護施設に入ることになった場合の仏壇の対処方法 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/10/04/2081/
引っ越しの為に浄土真宗の仏壇を買い替える方法 ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/37/
施設に引越しをする際に仏壇はどうすればよいか? ⇒ https://gokuyo.com/useful/2020/01/14/33/
実家の仏壇を片付けたいと思ったら ⇒ https://gokuyo.com/useful/2021/09/13/2068/
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